DYING MEMORY

【警告】
この作品はR18指定となっております。
本作には強い暴力表現、拷問、性的表現、精神疾患を多く含みます。
これらの表現に不快感を感じる場合は、本作の閲読を推奨致しません。
また、表紙絵や挿絵はAIによる生成となっております。

2023年、冬。
とある国で、立て続けに奇怪な事件が発生していた。

ひとつは、世界的に名を馳せていたIT系大企業の倒産。
コンピュータ部品を扱い、グローバル市場でも高いシェアを誇っていたその企業は、突如としてサイバー攻撃を受け、企業と連携していた複数のデジタル口座から、1億ユーロもの大金を奪われた。犯人のハッカーはすぐに特定されたが、その直後に何者かに殺害されており、盗まれた資金のうち取り戻せたのはわずか1割。信用を失った企業は、あっという間に経営破綻へと追い込まれた。

ふたつめは、それから1ヶ月後に起きた、市街地での大規模な爆発事件である。
帰宅途中の大学生が自宅の玄関を開けようとした瞬間を起点に爆発が発生し、周囲を巻き込みながら、死者は100人を超えた。警察はテロ行為とみて捜査を続けているが、いまだに犯人の姿さえ掴めていない。

そして最後に、人々を最も不安にさせているのが、ここ数ヶ月で相次いでいる市民の行方不明事件だ。
攫われる人物に共通点はなく、年齢や性別、職業を問わず、まるで無作為に人が“消えている”。当初は関連性のない失踪とされていたが、現場に残された微かな痕跡から、警察はある手がかりを掴む。
――それは、とある山中の古びた民家。そして、その近くで幾度も目撃されているという、黒いローブを纏った女の存在だった。

調査のために派遣されたのは、民間自治組織「ダイレンジャビス」の女性調査員・ベルク。
冷静かつ実直な彼女は、単独で問題の民家へと潜入を開始する。だが、その調査開始からわずか2時間後――

薄暗い一室のベッドで、ひとりの女子高校生が目を覚ます。
シミだらけのシーツ、揺れる天井、軋む床の音。そして床には真新しい血の跡が……。
記憶喪失となっていた彼女は、自分がなぜここにいるのか、自分が一体誰なのかも分からない。

彼女が目覚めたそれは、狂気と陰謀が交錯する物語の、静かなる幕開けだった。
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