婚約者が毒を使って私を消そうとするけど、聖女だから効きません

天宮有

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第27話

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 ゼアンは、騒ぎになっているパーティ会場で説明する。

「私は婚約者のシルフ様に悪事を捏造したズドラ様を警戒して、調査をしていました」

 ズドラが婚約破棄を言い渡した出来事を理由に、ゼアンがズドラを調査させたことを納得させる。

「そしてズドラ様は、昔聖女の力を一時的に無力化したという堕天のナイフを入手したと知りました」

「そうか。ゼアンよ! 貴様は俺が必死になって入手した堕天のナイフを盗んだのだな!?」

「シルフ様を守るためです。贋作を用意してすり替えましたけど、ズドラ様を警戒するのは当然でしょう」

 今までの私に対する言動、そしてゼアンの推測通り行動した。

 別にゼアンが全て話す必要はなかった気がするけど……ゼアンとロゼスを懲らしめたかったからだと思う。

「ぐぅぅっ……シルフよ! 助けてくれぇぇっ!」

「ズドラ!? 貴方は何を言っているのよ!?」

「ロゼスの奴は毒を強化するスキルを隠し持っていた! 俺は脅されていただけなんだ!!」

 毒を強化するスキルを持つと知って、ロゼスが毒に拘っていた理由はわかった。

 ゼアン必死に叫ぶけど、私は何も思わない。

「私は、ズドラ様を助ける気は一切ありません」

 私は断言すると、取り押さえられているズドラとロゼスは何も言えなくなっている。

 そして――聖女を消そうとしたことは重罪で、2人は処刑されることとなっていた。
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