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第5話
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ドスラ視点
「陛下! 今すぐエルノア様を王妃に戻してください!!」
他国から戻ってきた宰相サウスが、俺に対して頼み込む。
エルノアが出て行ったことを伝えるとサウスが取り乱し、俺は焦るしかない。
「そ、そこまでか……それほどまでに、エルノアがいなければならないのか?」
「はい。エルノア様が受け入れているのなら現状が一番よかったのですが、出て行こうと考えていたとは……城の外に出さなければ、何もできないと思っておりました」
「サウスが他国に行ってすぐ、エルノアは城を出て買物をしていたから咎めようとしたのだが、それを理由に出て行かれてしまった」
城から出させないようサウスに頼まれていたから、俺はエルノアに対して激怒していた。
誓約書の魔法道具を使い脅せば従うと考えていたのに、エルノアはそれを利用して王妃でなくなっている。
そしてサウスは全身を震わせて、何かに怯えているようだ。
「サウスよ、どうした!?」
「これから起こる事態を考えると、恐怖するしかありません……エルノア様はシーフェス公爵家に戻っているはず、今すぐに謝罪してでも戻してください!」
「はぁっ!? 俺に謝れというのか!!」
「謝らなければ、ランアス国がどうなるかわかりません!」
どうやらサウスは本気のようで、俺は兵士長による報告を思い出す。
結界魔法が実在しているのは間違いないし、兵士達の力も急激に弱まっているらしい。
エルノアが城から消えて数日しか経っていないのに、国内では様々な異変が発生しているようだ。
「クソッ……仕方ない。屋敷へ向かい、エルノアに謝るとしよう!」
側妃のリオナも納得してくれたから、俺はすぐシーフェス公爵家の屋敷に向かう。
屋敷にはエルノアの姿はなく、俺が来ることを予想していたようだ。
エルノアは家族の縁を切った後、ランアス国から出て行ったようで――俺は、後悔するしかなかった。
「陛下! 今すぐエルノア様を王妃に戻してください!!」
他国から戻ってきた宰相サウスが、俺に対して頼み込む。
エルノアが出て行ったことを伝えるとサウスが取り乱し、俺は焦るしかない。
「そ、そこまでか……それほどまでに、エルノアがいなければならないのか?」
「はい。エルノア様が受け入れているのなら現状が一番よかったのですが、出て行こうと考えていたとは……城の外に出さなければ、何もできないと思っておりました」
「サウスが他国に行ってすぐ、エルノアは城を出て買物をしていたから咎めようとしたのだが、それを理由に出て行かれてしまった」
城から出させないようサウスに頼まれていたから、俺はエルノアに対して激怒していた。
誓約書の魔法道具を使い脅せば従うと考えていたのに、エルノアはそれを利用して王妃でなくなっている。
そしてサウスは全身を震わせて、何かに怯えているようだ。
「サウスよ、どうした!?」
「これから起こる事態を考えると、恐怖するしかありません……エルノア様はシーフェス公爵家に戻っているはず、今すぐに謝罪してでも戻してください!」
「はぁっ!? 俺に謝れというのか!!」
「謝らなければ、ランアス国がどうなるかわかりません!」
どうやらサウスは本気のようで、俺は兵士長による報告を思い出す。
結界魔法が実在しているのは間違いないし、兵士達の力も急激に弱まっているらしい。
エルノアが城から消えて数日しか経っていないのに、国内では様々な異変が発生しているようだ。
「クソッ……仕方ない。屋敷へ向かい、エルノアに謝るとしよう!」
側妃のリオナも納得してくれたから、俺はすぐシーフェス公爵家の屋敷に向かう。
屋敷にはエルノアの姿はなく、俺が来ることを予想していたようだ。
エルノアは家族の縁を切った後、ランアス国から出て行ったようで――俺は、後悔するしかなかった。
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