何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第６０話

ドスラ視点

　俺はリオナから、魔法組織の計画を聞いていた。

　魔法道具店でウルクに敗れた者達は、魔法組織に不要の人間だったようだ。

　組織に不要な者を切り捨て、レオウの魔法によりエルノアとウルクの行動を確認できている。
　そこまでは予想通りだったが、俺はウルクの実力に驚くしかなかった。

「レオウは、ウルクに勝てると思っているのだろうか？」
「はい。むしろレオウとしては、ここまで予想通りで対策もあるようです」

　普通に戦えばレオウでもウルクに勝てないが、今までの戦闘を見て倒す方法はあるようだ。
　レオウは今二―ルド国の王都にいて、明日ウルクを倒しエルノアを連れ戻すとリオナが話してくれる。

「どんな魔法も消滅させるウルクを、対策できるのか？」
「はい。その間は攻撃できませんから、全戦力で総攻撃を仕掛けるつもりのようです」

　ウルクの反撃を封じ、数で押して魔力を尽きさせる。　
　単純だが一番効果的だと俺も考えているのは、魔法道具で見たウルクの実力が規格外だからだ。

　ウルクは優秀な魔法使いで問題の対処に動き、エルノアも結界の中を把握するため一緒に行動している。
　それがわかったから、レオウは魔法組織の戦力を集めてウルクを倒そうとしていた。