【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~杉崎~

自然消滅

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「…あ、ごめんなさい…言い過ぎたかしら…補足するとね…あなたはとても優しいけど…残酷…って、ことね…」

智花が慌てたように、言葉を重ねるが…
本当に、驚くほどに、俺は、その言葉に傷付いてはいなかった。
むしろ…自分のことを…確かにそうだと…思ったくらいだ。

「あ…いや、全然、言い過ぎじゃないよ…俺自身、そう思うから…君の言うように、俺は残酷なんだと思う。」

「ふふっ…そういうところ、修哉さんぽい…人の意見を頭ごなしに否定しないとこ…ていうか、なんなんだろこの会話…そうそう、この際だから言っておくけど…この、別れ話だってね…」

智花が、悪戯っ子のようにニヤリと笑う…。

「うん…?」

「電話やメールで…別れたい、じゃあ、さようなら…でも、良かったわけじゃない…?私達、そもそも今は遠距離で顔合わせないから、気まずさも残りにくいし…下手したらそのまま、自然消滅だって、狙えたかもしれないのに…」

「自然、消滅…?」

自然消滅を、狙う…?

それは、一ミリも考えなかった…。

確かにたびたび、そんな言葉を聞くが…
俺には、どうやったら自然消滅にもっていけるのか…その方法がわからない…謎でしかない…。

最初は互いの合意で付き合い始めた恋人同士が…その別れにおいては明確に話をせず、自然消滅するなんて…

それは、互いが…ある程度別れを受容した上での自然消滅なのか…
それとも、片方に不満が残るのか…

俺には想像すらできないし、
その別れ方に、違和感とも似た…何とも言えない気持ち悪さが残ってしまう…。

         だからこそ、智花の発言には、驚きを隠せない…。

















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