これからの悲しみについて
梗概
それは「彼女」にとって、突然の夫の死だった。まだ若い二人の夫婦の生活は夫の事故死で早くも終わってしまった。だが、彼女にはどうしてか涙がわいて出てこなかった。何故なら夫の死の当時、夫は多大な債務を背負っており、その借金の返済の為に四苦八苦している状況だったので、彼女の心情としては夫の死によって入った生命保険の支払いと、何とか家を抵当に入れる事によって借金が返せたから。そのような事情もあり、彼女は悲しみと安堵の複雑な思いを抱き葛藤する。本当に私は夫を愛していたのか? と。
そんな募る思いを彼女がしている日々、死んだ夫からワインの彼女への誕生日プレゼントが届く。夫が事故死したのは彼女の誕生日の近づいていた日。つまり、送り届けられたワインは夫の死とは時間差した置き土産の贈り物だった。
彼女はそのプレゼントを受け取ると、生前、ワイン好きの夫が、この部屋には入らないでくれ、と言われてきたワイン・セラーの部屋に、ふと入ってみようと考えた。
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