サクラバ・ファミリア
時は西暦2412年、荒廃した世界が落ち着きを取り戻してから数十年が経ったころ。旧東京都足立区の一角には政府配給に頼り切らない豊かさを求める若者たちが集う場所があった。
と言うのは建前で、行政によって決められる人生設計を嫌い逃げてきた者たちが身を寄せ合って生きている地域と言うのが実のところ。そのようなはみ出し者たちが集まったグループが多数集まっているのが、比較的政府監視の緩いこのエリアである。
『佐倉荘』はそのグループの集う若者支援アパートの一つだ。佐倉荘は復興期前より代々この地区で農園を営んでいる丹羽家が管理運営しているのだが、管理人の『丹羽寅治郎』もまたはみ出し者だった。
そんなはみ出し者たちが暮らす佐倉荘に新たな住人『佐倉小櫻』がやってきた。彼女はまだ十七歳の少女だが、事情により親元を離れ一人で暮らすことになったのだ。
今まで不自由なく生きてきた小櫻にとって佐倉荘の面々や取り巻く環境は非常識に写り驚くことばかり。それでも監視管理社会とは異なる生き様を目の当たりにしてある種の感銘を受ける部分もあった。
とはいえ今まで常識的に生きていた小櫻にとっては毎日が事件のようなもの。果たして平穏無事な日常生活を送ることはできるのだろうか――
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