婚約者から用済みにされた聖女 〜私を処分するおつもりなら、国から逃げようと思います〜
「覚悟しておけよ。貴様がこの世から消えれば良いだけの話だ」
「薄気味悪い人形が、私と結婚などできると思うな」
侯爵令嬢――エムザラ・エイルは、婚約者の王子から忌み嫌われていた。
彼女は邪悪な力を払う『聖女』の力を持って生まれた。
国にとって重要な存在である聖女のエムザラは、第一王子の婚約者となった。
国に言われるまま、道具のように生きてきたエムザラ。
そのため感情に乏しく、周囲からも婚約者からも疎ましく思われていた。
そして、婚姻を直前に控えて夜――婚約者の王子から送られてきた刺客。
「エムザラ……俺と来い。俺が君を幸せにしてやる」
だが、刺客は命を奪わずに言った。
君を幸せにしてやる……と。
「俺がもう一度、君を笑わせてやる」
聖女を誘拐した暗殺者。
彼の正体は、帝国の皇子で――
ただ一人の少女が心を取り戻すための、小さな恋の話。
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