透明標本クラブ

2050年の東京。
高校では「感情の暴走」を防ぐため、生徒たちは“感情抑制チップ”の装着を義務化されていた。

怒りすぎない。
悲しみすぎない。
恋をしても、苦しくなりすぎない。

社会はそれを“理想的な進化”と呼んでいる。

そんな中、感情をうまく制御できない高校生・浅野カナタは、校内で噂される謎の部活「透明標本クラブ」へ迷い込む。

そこにいたのは、感情抑制チップを外した問題児たちだった。

笑いすぎる少女。
泣き続ける先輩。
怒りを隠さない教師。

そして部長の少女・氷室レイは、こう言う。

「人間ってさ、壊れるくらい感情があるから綺麗なんだよ」

しかしある日、レイの感情データが政府に検知され、クラブは“危険思想グループ”として監視対象になる。

感情を消して生きるか。
痛みごと人間でいるか。

これは、“感情を禁止された時代”で、本気で泣こうとした少年少女たちの青春SF。
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