影武者として生きるなら
自在に他人の姿に化けられる能力を持つ影武者の一族は、他人の身代わりとなるべく生を受け、他人の身代わりとしての死を強制される。影武者の管理者となった柊落葉は、久川楓という影武者の管理を任される。望まない生き方を強いられながら、しかし楓は抵抗を諦めていた。
そんな彼女に落葉は手を差し伸べた。
それが、彼女の管理者になった目的だった。
*他サイト(カクヨム)にも投稿しています。
そんな彼女に落葉は手を差し伸べた。
それが、彼女の管理者になった目的だった。
*他サイト(カクヨム)にも投稿しています。
あなたにおすすめの小説
「お前の代わりはいくらでもいる」と言われたので、代わりを三人用意して辞めました ~辺境伯が「お前の代わりはいない」と離してくれません~
宮廷薬師のエリオは、調合も仕入れも帳簿も医師の補助も一人で引き受けてきた。
それが当たり前だと思っていた。
筆頭薬師に「お前の代わりはいくらでもいる」と言われるまでは。
言われたとおり、代わりを用意しよう。
エリオは七日で三人の後任を育て上げ、辞表を置いて王都を出た。
行くあてもなく門をくぐったところで声をかけてきたのは、冷血と噂される北の辺境伯ディートハルト。
軍医を失った砦に来てほしいという。
辺境で待っていたのは、仕事をすれば礼を言われ、無理をすれば叱られる毎日。
そして口数の少ない辺境伯が、なぜかいつも隣にいる。
一方そのころ王都では、三人がかりでも宮廷薬局が回らなくなっていて――。
「彼の代わりはいない。だから返さない」
※ハッピーエンド・完結保証。最終話まで執筆済みです。
特待生だと思われて最後列に座らされた私が、三か月後、祖母の名前がついた音楽ホールで最初の一曲を弾くまで
祖母が袖を詰めた古い制服に、祖母のICカード。40分バスに乗って通う編入生の私を、名門・綾嶺学園の1年3組は、ひと目で「特待生」だと決めつけた。
「特待生はここ」――足で押された椅子の先は、最後列のゴミ箱の隣。
前の晩、父には電話でこう言われていた。
「学校では、セイラントグループの娘という肩書を置いて、鈴木瑶でいなさい」
だから私は、何も説明しない。椅子を少しだけ戻して「ありがとう」と座り、記念行事費は一万円札3枚で払う。
学食では「特待生は下で食べて」。中間テストで1位を取れば「写したのよ」。
祖母が30年ピアノを教えたこの学校で、旧音楽準備室に残る祖母のピアノには「処分」の紙が貼られた。保護者会では、杖をついて来た祖母に、PTA会長が年金の額を尋ねる。
隣の席には、何も聞かずに丸パンを半分くれる子が一人だけいる。
12月、500万円するという腕時計が、私の机の中から出てきた。
「警察に通報してください」
返ってきたのは、処分が決まるまでの自宅待機3日。
待機の3日目、祖母宛てに白い封筒が届く。
創立記念式典 12月6日 午後6時 特別招待 倉橋芙佐子様 ご家族同伴可
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
「君を愛することはない」と毎日言われたので、離縁の日だけは聞きに行きませんでした
「君を愛することはない」 夫にそう言われながら、セシリアは一年間、二人分の夕食を用意して待ち続けた。 けれど、婚姻を継続するか決める前夜、夫は最後の約束まで破り、幼なじみと観劇へ出かけてしまう。
翌朝、セシリアは夫の書斎を訪ねず、不更新届を提出した。 慌てて差し出された更新証書にも、もう署名はしない。
私を待たせたあなたを、これ以上待つつもりはありません。 冷遇された妻が離縁を選び、自分の暮らしと新しい恋を手にする。
【短編集】こども病院の日常
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
1億2000万円の豪邸に、私の部屋だけなかった
両親が桜丘市に買ったのは、一億二千万円もする、広さ二百平方メートル近い高級マンションだった。
引っ越し当日、家族のLINEグループに母から動画が届いた。姉の彩音には専用のピアノ室、八歳の弟の悠斗には広々としたゲーム部屋。両親は一番大きな寝室を使うらしい。
私の部屋だけ、どこにも映っていなかった。
「お母さん、私の部屋は?」
「キッチンの隣に納戸があるでしょう。折り畳みベッドくらい置けるわよ。どうせめったに帰ってこないんだから」
「でも、あそこ窓がないよね」
「美琴はお姉ちゃんなんだから、悠斗に譲ってあげなさい。それくらいわかるでしょう?」
また、その言葉だ。
彩音のピアノのために私は塾をやめ、大学の生活費も自分で稼いできた。悠斗が欲しがるものは、私の持ち物でも譲らされた。
今度は、窓のある部屋まで。
返信する代わりにメールを開いた。北海道の雪森町役場から、地域おこし協力隊の採用通知が届いている。学校での美術活動や、使われなくなった校舎の活用に携わる仕事だ。
採用を受けると返信した。
あと半月で、この家を出る。
勇者に手柄を奪われたので、魔王討伐の報告会で質問を三つだけしました
「お前の名前を出すと、英雄譚が分かりにくくなるんだ」
魔王討伐の作戦士アルレンは、勇者に自分と仲間の功績を奪われた。
口止め料を拒み、向かったのは王の前で開かれる報告会。
「第一結界を、なぜ夜明けまで破らなかったのですか」
三つの質問と、討伐前から残る記録。
華々しい武勇伝の裏で、誰が何をしたのか。
英雄の嘘を暴き、仕事と名前を取り戻す逆転ファンタジー。
妹の進学祝いに、両親は私が四年間貯めたお金を使いました。
大学の卒業式の日、私はとびきり印象に残る「卒業祝い」を受け取った。
スマートフォンに銀行からの通知が届いたのは、式を終えて着替えた直後だった。四年間、アルバイトと奨学金、それに研究室の補助業務でもらった謝金を少しずつ貯めてきた口座から、百五十万円が消えている。
送金したのは、母だった。
その口座は高校生の頃に作ったものだった。当時は母がキャッシュカードや認証の設定を管理していて、大学に入ってからはほとんど私自身が使っていたものの、昔の設定をきちんと変えないままにしていた。
二十二歳になった今、そのことをこんな形で後悔するとは思わなかった。
「美月は第一志望の国立には届かなかったけど、星華大には受かったんだから。受験で一年頑張ったんだし、進学祝いくらいしてあげたいでしょう?」
母は悪びれもしなかった。
「お金はお母さんが借りたことにして。星奈はお姉ちゃんなんだから、こんなときくらい水を差さないでよ」
百五十万円。
深夜のコンビニ、週末の家庭教師、奨学金、研究室の補助業務。四年間かけて貯めたお金だった。
大学院へ進んでからの生活費も、引っ越し代も、入学準備に必要なお金も入っている。
何より、いざというときに自分で逃げられるように用意していたお金だった。
兄の陽介は、私の肩を軽く叩いて笑った。
「星奈は昔からしっかりしてるし、今回は美月に譲ってやれば? 俺もまだ入社したばっかで余裕ないけど、落ち着いたら卒業祝いするからさ」
幼なじみの相沢智也まで、母たちの側についた。
「叔父さんたち、旅行ももう予約してるんだろ? お金のことは帰ってから話せばいいじゃん。せっかくの卒業式なのに、そんな顔して終わるのもったいないよ」
私は、楽しそうに荷物を持って出ていく家族を黙って見送った。
誰も知らない。
私はもう、彼らが帰ってくるのを待つつもりなどなかった。
四年間付き合ってきた恋人、久我蒼士が桐葉市役所の近くで待っている。
婚姻届も、とっくに二人で書き終えていた。
昨日までの私は、大学院が始まって生活が落ち着いてから家を出ようと思っていた。
けれど、もう十分だった。
今日からは、自分の人生を生きる。
藤原家へ戻ることも、もうない。
専業主婦十年、夫と息子に「何もしてない」と言われたので、自分の名前で稼ぐことにした
「お母さん、何もしてないじゃん」
小学四年生の息子に言われた。翌朝、夫も言った。そっちは家にいるだけだろ、と。
専業主婦十年。渡される生活費は白い封筒の月3万円。家の通帳は見たこともない。
期限切れのファンデーションを塗り、フォロワー48人のアカウントに写真を上げた。「ダメ出しお願いします」。止まらない通知の中に、短い返信が一つ。
――ひとつずつでいいよ。
早朝の新聞配達に、時給1200円の品出し。夜は簿記の参考書を開いた。額面22万円の雇用条件通知書。初めてのPR案件は、2万5千円。
その秋、夫が昼に誰と会っているかを知った。離婚届は12月24日。
一年後、私の会社の月商は500万円、フォロワーは200万人。港区のタワーマンションの鍵は、私の名前で受け取った。
「家にいるだけだろ」と言った人が、その数字を口にする番が来る。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
全9話。
ログインすると感想の投稿ができます。