『さあ、私の平穏よ。帰ってきなさい』

彼は素晴らしい美形だが、致命的に思考が足りていない。

いわゆる、おバカな王子様だった。

「リリアーヌ、君は今日も美しいね。私の『真実の愛』は、もしかしたら君のことかもしれない」

 ……勘弁してほしい。

 このままでは、私は「真実の愛」という名の面倒くさい義務に巻き込まれてしまう。

 しかも、問題はそれだけではない。
 親友であるクローシュの両親の公爵夫妻は、実はかなりの悪党だ。

 もし彼らの悪事が露呈すれば、クローシュは断罪され、婚約破棄は免れないだろう。

 そうなれば、次にターゲットにされるのは、二番目にお気に入りの私なのだ。

 絶対に嫌だ。
 私は、布団の中で一生ゴロゴロしていたいタイプなのだ

 ……さあ、どうしようか。私。
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