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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎
0033:漆黒の乙女
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【side ノア・フィックスド(とあるヤンキー)】
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。
「アルバートさん、貴族学校って首都のですか?(ノア)」
「そうだ。……私はコレクトよりも二つ年上だから、年齢を詐称してからコレクトと一緒に、都立聖マリー貴族学校に入学した。(裏当主)」
みなさんこんにちは、フィックスド家のノアです。現在俺たちは、フローレンス辺境伯家の裏当主アルバートさんの身の上話を聞いている真っ最中だ。一から話せばかなり長くなるので内容は省かせてもらうが、……なかなか壮絶なお話すぎて、頭がついていけてない。……しかし、波瀾万丈の渦中にいらっしゃるコレクト様は、キョトン顔で、ほえーとアルバートさんのお話をうんうん頷きながら聞かれていて、……そんなに酷い話ではないのではないかとも錯覚してしまう自分がいる。
「都立聖マリー貴族学校って、一番の名門校じゃないか‼︎(とてもびっくりな殿下)」
「ああ。……コレクトが素晴らしい領主になる為には、金に糸目をつけないのが、我ら裏本家の総意だからな。……コネというコネを利用しまくって、聖マリーへの切符をゲットした。(謎のドヤ顔裏当主)」
「所謂、裏口入学だね!(テヘペロなコレクト)」
裏口入学……。あまりにもカラッと爽やかに仰るから、普通なことのように思ってしまう。
「ちなみに私は、ストレート合格だ。(ドヤ顔裏当主)」
「私は零点だったよ!(謎のドヤ顔コレクト)」
コレクト様……。一旦、口を貝にしましょうか! 言わなくていいんですよ、点数なんて。……言いさえしなければ、立派な学校出て、立派に領地経営できる、素晴らしい領主なんですから。もっと、ご自身を大切にしてください!
「でもさ、そんな名門学校に、暴力女なんているの?(半信半疑な殿下)」
「いた。……私達の学年には、たまたまいたのだ。」
「ねえ、アル、その暴力女って……。(コレクト)」
「あれは、入学式のこと。(マイワールド全開裏当主)」
「…………。(気を遣って口を噤むコレクト)」
おぅ。……アルバートさん、一旦、落ち着いて、コレクト様のお顔を見てください。……言い出しかけていたことをアルバートさんに遮られて、居心地悪そうにしていらっしゃいますよ。……アルバートさんって、一度スイッチが切り替わると、マイワールドを展開して、熱が入るというかなんというか……。これも、一種のマジックなのか?
「私がコレクトから一瞬目を離した隙に、数名の首都貴族のお坊ちゃん達がコレクトを取り囲んで、多額のお金を要求したのだ……‼︎(怒りに打ち震える裏当主)」
「それって、カツアゲ?(眉を顰める殿下)」
「そうとも言える。……その光景を見た時、『首都貴族の分際で、いたいけなコレクトを襲おうとするだなんて、笑止千万‼︎ 全員、針の筵にしてやるわ!』と思って、私はコレクトに急いで駆け寄った。……だが、……私がその場に着いた頃には、コレクトは、もうそこにはいなかったのだ。……クゥッ、一生の不覚だ‼︎(悔しさを滲ませる裏当主)」
「うんうん、その貴族坊ちゃん達に連れ去られたんだね。(真剣に話を聞いている殿下)」
「いや、コレクトを連れ去ったのは……。(裏当主)」
「私の妻オリビアだよ‼︎(ドヤ顔のコレクト)」
「「「ええええ⁉︎(びっくり仰天の三人)」」」
「そのさ、カツアゲされていたときに、オリビアと運命の出逢いをしたんだ。(顔を林檎のように赤らめるコレクト)」
「………………‼︎(嫉妬で顔を歪ませる裏当主)」
「えええ⁉︎ コレクト様と奥様って政略結婚だったんじゃないのですか?(色々な意味で悲鳴をあげるノア)」
「ち、違うよ。私は、こう見えて、純情だからね。……愛しい人と結婚するって、心に決めていたんだ。(裏当主の腕の中でモジモジするコレクト)」
「…………。(言葉が出ないノア)」
まさか、先輩(コレクト様の現状奥様)とコレクト様との関係が、結構深かったなんて……。俺は、コレクト様の言葉に並々ならぬショックを受けた。
……だがしかし、考えみれば、アルバートさんが仰る事が正しければ、コレクト様の本当の性別は、女性とのこと。……大丈夫。……どうにかして、コレクト様を誤魔化して、丸め込んで、奥様のことを諦めてもらおう!(なかなかな事をさりげなく考えているノア)
「そう言えば俺、コレクト様と奥様の馴れ初めを聞いた事がなかった気がします。これからのことに繋がると思うので、事細かに、話していただけませんか?(なかなかなノア)」
「うん、そうだね。一から話してみようか。(素直にノアのことを信じているコレクト)」
「はい、お願いします!(目を光らせるノア)」
「「……。(ノアの心を読んでドン引きな殿下とサネユキ)」」
「……そう。あれは、冗談抜きで、カツアゲされてて一人パニックに陥ってたときのことだったんだ。(謎の酔いしれた表情のコレクト)」
「成程。……精神状態は、不安定だったんですね。(どこからか白紙の紙を取り出してメモを取り出すノア)」
「うん。……私を囲んできた貴族のお坊ちゃん達は、いいとこのお坊ちゃまなのに、口が悪くて、体当たりとかしてきたり、私の服を脱がそうとしてきたり、なかなか異常な人達ででね……。(遠い目のコレクト)」
「……コレクト、……気づくのが遅くてすまなかった。(コレクトの背後から強く抱きしめる苦しい表情の裏当主)」
「いいんだ、アル。スンデのところで、漆黒の人間が横切って、瞬きしたときにはもう、お坊ちゃん達は床に突っ伏していたんだから。そして私は、その漆黒の人間にお姫様抱っこされていたんだ! その漆黒の人間が、オリビア、……私の妻だよ。(優しい微笑みを浮かべるコレクト)」
「コレクト様の奥様……。(手に汗握るノア)」
「うん。オリビアの決め台詞がカッコよくってね、……一瞬で、恋に落ちちゃった。(照れるコレクト)」
回想 『弱い者虐めをする輩は成敗ですわよ‼︎』
「それから、アルと一緒に、オリビアの実家に婚約の申し出をしに行ったりしてね、……思い返してみれば、カツアゲされたお陰でオリビアに会えたから、私はラッキーだったよ。(ふにゃりと笑うコレクト)」
成程。……そうきたか。……流石は先輩。学生時代から素晴らしい正義感を持っていたのですね。俺は再度先輩のことを惚れ直した。
「オリビアに会えたから、メアリーにも会えて、学生時代は本当に楽しかったな。勿論、アルと二人だけのときも楽しいけれど、学生時代はたくさんの友達ができて、皆と一緒に苦難を乗り越えてきたからさ。(照れるコレクト)」
「ああ。……学生時代は、コレクトと二人きりになれるときが寮の居室だけだったから、私は、いろんな意味で苦しかった。(瞳の奥に轟々と嫉妬の炎を燃やす裏当主)」
「うん。初恋も経験したし、楽しかったね。(裏当主の言葉をスルーするコレクト)」
「……お言葉ですがコレクト様、……コレクト様が仰る『初恋』のお相手とは、奥様ですか、アルバートさんですか? どっちなんですか?(ズズズイッとコレクトに聞くノア)」
「うん? オリビアただ一人だよ。(茹で蛸コレクト)」
「…………クゥッ‼︎(悔しくてたまらない裏当主)」
「ちょっと待ってください、コレクト様、……それは、かなり違うと思いますよ。(何処からか伊達メガネを出してきて、スチャッと装着するノア)」
「えっ……?(ポカーンなコレクト)」
「はっ……?(不意をつかれる裏当主)」
「コレクト様、……貴殿は、奥様からの簡単なマジックに騙されていらっしゃいます。目を醒ましてください!(なかなかなノア)」
「「「「──っ⁉︎(意味がわからない四人)」」」」
⭐︎ コレクトの妻オリビアに恋心を寄せるノアの、謎の説得が、今、始まる‼︎
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。
「アルバートさん、貴族学校って首都のですか?(ノア)」
「そうだ。……私はコレクトよりも二つ年上だから、年齢を詐称してからコレクトと一緒に、都立聖マリー貴族学校に入学した。(裏当主)」
みなさんこんにちは、フィックスド家のノアです。現在俺たちは、フローレンス辺境伯家の裏当主アルバートさんの身の上話を聞いている真っ最中だ。一から話せばかなり長くなるので内容は省かせてもらうが、……なかなか壮絶なお話すぎて、頭がついていけてない。……しかし、波瀾万丈の渦中にいらっしゃるコレクト様は、キョトン顔で、ほえーとアルバートさんのお話をうんうん頷きながら聞かれていて、……そんなに酷い話ではないのではないかとも錯覚してしまう自分がいる。
「都立聖マリー貴族学校って、一番の名門校じゃないか‼︎(とてもびっくりな殿下)」
「ああ。……コレクトが素晴らしい領主になる為には、金に糸目をつけないのが、我ら裏本家の総意だからな。……コネというコネを利用しまくって、聖マリーへの切符をゲットした。(謎のドヤ顔裏当主)」
「所謂、裏口入学だね!(テヘペロなコレクト)」
裏口入学……。あまりにもカラッと爽やかに仰るから、普通なことのように思ってしまう。
「ちなみに私は、ストレート合格だ。(ドヤ顔裏当主)」
「私は零点だったよ!(謎のドヤ顔コレクト)」
コレクト様……。一旦、口を貝にしましょうか! 言わなくていいんですよ、点数なんて。……言いさえしなければ、立派な学校出て、立派に領地経営できる、素晴らしい領主なんですから。もっと、ご自身を大切にしてください!
「でもさ、そんな名門学校に、暴力女なんているの?(半信半疑な殿下)」
「いた。……私達の学年には、たまたまいたのだ。」
「ねえ、アル、その暴力女って……。(コレクト)」
「あれは、入学式のこと。(マイワールド全開裏当主)」
「…………。(気を遣って口を噤むコレクト)」
おぅ。……アルバートさん、一旦、落ち着いて、コレクト様のお顔を見てください。……言い出しかけていたことをアルバートさんに遮られて、居心地悪そうにしていらっしゃいますよ。……アルバートさんって、一度スイッチが切り替わると、マイワールドを展開して、熱が入るというかなんというか……。これも、一種のマジックなのか?
「私がコレクトから一瞬目を離した隙に、数名の首都貴族のお坊ちゃん達がコレクトを取り囲んで、多額のお金を要求したのだ……‼︎(怒りに打ち震える裏当主)」
「それって、カツアゲ?(眉を顰める殿下)」
「そうとも言える。……その光景を見た時、『首都貴族の分際で、いたいけなコレクトを襲おうとするだなんて、笑止千万‼︎ 全員、針の筵にしてやるわ!』と思って、私はコレクトに急いで駆け寄った。……だが、……私がその場に着いた頃には、コレクトは、もうそこにはいなかったのだ。……クゥッ、一生の不覚だ‼︎(悔しさを滲ませる裏当主)」
「うんうん、その貴族坊ちゃん達に連れ去られたんだね。(真剣に話を聞いている殿下)」
「いや、コレクトを連れ去ったのは……。(裏当主)」
「私の妻オリビアだよ‼︎(ドヤ顔のコレクト)」
「「「ええええ⁉︎(びっくり仰天の三人)」」」
「そのさ、カツアゲされていたときに、オリビアと運命の出逢いをしたんだ。(顔を林檎のように赤らめるコレクト)」
「………………‼︎(嫉妬で顔を歪ませる裏当主)」
「えええ⁉︎ コレクト様と奥様って政略結婚だったんじゃないのですか?(色々な意味で悲鳴をあげるノア)」
「ち、違うよ。私は、こう見えて、純情だからね。……愛しい人と結婚するって、心に決めていたんだ。(裏当主の腕の中でモジモジするコレクト)」
「…………。(言葉が出ないノア)」
まさか、先輩(コレクト様の現状奥様)とコレクト様との関係が、結構深かったなんて……。俺は、コレクト様の言葉に並々ならぬショックを受けた。
……だがしかし、考えみれば、アルバートさんが仰る事が正しければ、コレクト様の本当の性別は、女性とのこと。……大丈夫。……どうにかして、コレクト様を誤魔化して、丸め込んで、奥様のことを諦めてもらおう!(なかなかな事をさりげなく考えているノア)
「そう言えば俺、コレクト様と奥様の馴れ初めを聞いた事がなかった気がします。これからのことに繋がると思うので、事細かに、話していただけませんか?(なかなかなノア)」
「うん、そうだね。一から話してみようか。(素直にノアのことを信じているコレクト)」
「はい、お願いします!(目を光らせるノア)」
「「……。(ノアの心を読んでドン引きな殿下とサネユキ)」」
「……そう。あれは、冗談抜きで、カツアゲされてて一人パニックに陥ってたときのことだったんだ。(謎の酔いしれた表情のコレクト)」
「成程。……精神状態は、不安定だったんですね。(どこからか白紙の紙を取り出してメモを取り出すノア)」
「うん。……私を囲んできた貴族のお坊ちゃん達は、いいとこのお坊ちゃまなのに、口が悪くて、体当たりとかしてきたり、私の服を脱がそうとしてきたり、なかなか異常な人達ででね……。(遠い目のコレクト)」
「……コレクト、……気づくのが遅くてすまなかった。(コレクトの背後から強く抱きしめる苦しい表情の裏当主)」
「いいんだ、アル。スンデのところで、漆黒の人間が横切って、瞬きしたときにはもう、お坊ちゃん達は床に突っ伏していたんだから。そして私は、その漆黒の人間にお姫様抱っこされていたんだ! その漆黒の人間が、オリビア、……私の妻だよ。(優しい微笑みを浮かべるコレクト)」
「コレクト様の奥様……。(手に汗握るノア)」
「うん。オリビアの決め台詞がカッコよくってね、……一瞬で、恋に落ちちゃった。(照れるコレクト)」
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成程。……そうきたか。……流石は先輩。学生時代から素晴らしい正義感を持っていたのですね。俺は再度先輩のことを惚れ直した。
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「ああ。……学生時代は、コレクトと二人きりになれるときが寮の居室だけだったから、私は、いろんな意味で苦しかった。(瞳の奥に轟々と嫉妬の炎を燃やす裏当主)」
「うん。初恋も経験したし、楽しかったね。(裏当主の言葉をスルーするコレクト)」
「……お言葉ですがコレクト様、……コレクト様が仰る『初恋』のお相手とは、奥様ですか、アルバートさんですか? どっちなんですか?(ズズズイッとコレクトに聞くノア)」
「うん? オリビアただ一人だよ。(茹で蛸コレクト)」
「…………クゥッ‼︎(悔しくてたまらない裏当主)」
「ちょっと待ってください、コレクト様、……それは、かなり違うと思いますよ。(何処からか伊達メガネを出してきて、スチャッと装着するノア)」
「えっ……?(ポカーンなコレクト)」
「はっ……?(不意をつかれる裏当主)」
「コレクト様、……貴殿は、奥様からの簡単なマジックに騙されていらっしゃいます。目を醒ましてください!(なかなかなノア)」
「「「「──っ⁉︎(意味がわからない四人)」」」」
⭐︎ コレクトの妻オリビアに恋心を寄せるノアの、謎の説得が、今、始まる‼︎
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