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狙いどおりよ♪

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シオンは疲れていた。

「マジか…………」

はい!本日で5日目に突入しております。
日に日に来場者が増えて、人数制限しながら人の流れを廻しております。

ちょうど二階の休憩室の窓から下を見ると、貴族のみだと言うのに、物凄い人でごった返していた。

「まぁまぁ♪凄いわね~?」

諸悪の根源であるお母様は楽しそうであった。

「何故に貴族だけの来客でこんな事に………」

シオンの呟きに王妃様が答えた。

「それは当然ですわ。1度シオンの絵を見た貴族達は家族や親類を連れて、毎日来ているのですから」

王妃様は、さも当たり前の様に言いました。

「えっ?どういうこと???」
「もうっ!シオンちゃんはもっと自分の絵の凄さを自覚するべきよ!」

いきなり詰め寄られてタジタジになる。

「えっ?えっ?」

まだ理解していないシオンに母リーゼは小さくため息を付いた。

「はぁ~、あんな素晴らしい絵を見たらしばらくは毎日来たくなるでしょう?ただでさえ、入場制限で、絵を見る時間が限られているんですから」

そうかなー?
シオンは1度きたらしばらく来なくない?
と、普通に思っていた。まさか、毎日来ている人がいるとは予想もしていなかった。

「まったく理解していない顔よ?これは」

フィーネが飛んできた。

「あらあら♪お久しぶりです。フィーネ様!」

王妃様も妖精のフィーネに会えるのは嬉しいのだ。

「うん♪こんにちわー!」

ざわざわ………
ざわざわ………

なんか下の方が騒がしいような?

「大変です!美術館に妖精が現れました!」

!?

警備の騎士団が報告に駆け込んできた。

「フィーネ~~~?」

シオンはフィーネを両手で掴むと握り締めた。

「わぁーーーー!!!!ギブギブッ!!?これには訳があるのよ!?」

はて?
訳とはなにぞや?

「シオン、フィーネちゃんを離してあげて?私からお願いした事なのよ♪」

ほわい?
どういうことやねん!?

シオンはジトーとお母様を見た。

「シオンの描いた妖精の絵から本物の妖精が飛び出したと言う話題を作ったのよ♪これだけの貴族達が目にしたとなれば、バーニングハート公爵家に妖精がいるという噂を信じなかった者達も認めるしかないでしょう?それに、良い宣伝になるわ!」

王妃様も知っていたのか微笑んでいた。

「わかったなら離してーーーー!」

シオンの手の中でジタバタするフィーネに、ああ、ごめんねと言ってシオンは離した。

パタパタッとフィーネはまた飛んで行った。

「あんまり酷い事をしたらダメよ?」
「わかってますよ~」

パクリッとお菓子を口に入れた。

「それより、最後の日は気合いを入れてねシオン?」
「最後の日って何があるの?」

最後の日とは、貴族の貸切りの一週間の最後の日である。それ以降は一般公開になる。

「最後の日は、他国の大使を招いた貸切になるので、失礼の無いようにねって事よ」
「なるほど!そういう事ですか」

上手く行けば良い宣伝になるし、失礼をすれば国益を損ねるって事になるのね。

「いつも通りに、絵の解説をするだけだし、人数も今より少ないから大丈夫よ」

そだねー
この満員御礼状態は嬉しいけど、私も大変だからね~

後の数日間を頑張りますか!



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