『煉獄の統帥権(ゲヘナ・コマンド) —魔界北方戦線戦時日誌—』
紫黒の天蓋と有毒な瘴気に覆われ、女性の魔族のみが生きる極寒の魔界「ゲヘナ」。
最高指導者たる大公が病床に伏し、帝都で元老院親衛隊と野戦軍参謀本部の権力闘争が激化する中、北方辺境の要衝・黒嶺峡谷を守る第十二師団は、中央から補給を絶たれ見捨てられようとしていた。
平民出身の叩き上げ参謀ヴァレリア・カストナー少佐は、老獪な師団長エルゼ・フォン・ブラント中将の後ろ盾のもと、地形と冷徹な計算を駆使して反乱軍閥『白夜同盟』の侵攻を撃退する。
さらに、北方第三黒曜輝石鉱脈の利権を狙う親衛隊の特務監察官カテリーナ大佐や、参謀本部の密使ミリツァ中佐の謀略を逆手に取り、内通者を摘発して親衛隊の備蓄物資を無血で接収。
腐敗した中央との決別を宣言し、独立旗を掲げた。
独立直後の食糧危機と鉱山労働者のストライキを実利と証拠で解決したヴァレリアは、採掘した黒曜原石を燃料へ加工するため、中立の工業都市『アイゼンヒュッテ』へ赴く。
足元を見て暴利を吹っかける精錬ギルドのマグダ総裁と、列車襲撃を企むミリツァ中佐に対し、ヴァレリアは昨日の敵である『白夜同盟』のアストリッド大佐と極秘裏に同盟を締結。
参謀本部の猟兵部隊を罠に嵌めて捕縛し、精錬炉の命綱である冷却水門を制圧することでギルドを屈服させ、『北方三者経済・軍事協定』を成立させた。
その直後、帝都では大公が崩御し、幽閉されていた狂気の皇女ツェツィーリアが二大派閥を粛清して終身執政官に就任。
北方討伐のため、シュトラーセ大将率いる三万の先鋒軍と超大型魔導列車砲『ゲヘナの鉄槌』を差し向けてくる。
ヴァレリアは六十キロに及ぶ焦土戦術で敵の兵站を干上がらせつつ、捨て石にされた敵前衛・リンデマン少将の第四機甲師団一万を調略。
双子峰の盆地に地熱水を流し込んで敵本隊と列車砲を氷漬けにし、無傷で三万の大軍を撃破した。
第四機甲師団と列車砲を吸収し、二万の兵力を擁する『北方自治政府軍』が誕生する一方、帝都のツェツィーリアは七万の本隊と神話時代の禁断兵器の投入を命じ、北方の盾との最終決戦が迫っていた。
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さらに、北方第三黒曜輝石鉱脈の利権を狙う親衛隊の特務監察官カテリーナ大佐や、参謀本部の密使ミリツァ中佐の謀略を逆手に取り、内通者を摘発して親衛隊の備蓄物資を無血で接収。
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