視えるもの
グレーのキジトラ猫・ゼロは、人間には視えないものが視える。
拾われて以来暮らしてきた家で、ある日弟のコウタの部屋の前に、「何か」が現れる。誰も気づかない中、コウタの様子が少しずつ変わっていく――
やがてゼロは、物置に眠っていた古い写真と新聞の切り抜きから、この家にかつて住む「何か」の正体に気づく。
言葉を持たないゼロは、鳴くことしかできず、伝えることもできない。それでも、コウタが夜な夜な連れ去られそうになるたび、爪と体を張って必死に食い止め続ける。
もどかしさと、静かな覚悟。猫にしか視えない世界から見た、優しくも切ないホラー。
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