擬似恋愛するための同棲生活は、可愛さ濃いめでした―――泣き虫の俺がラノベ大賞を受賞したら、なぜか学校一の美少女と同棲することになりました

 両親が海外赴任に行ってしまって中学3年生の時から一人暮らしを強いられた高校2年生の男の子―伊桜優。
 そんな彼は寂しい気持ちなら逃げるために小説を書いていた。
 気まぐれに応募した「第23回佐渡川文庫ラノベ大賞」で、彼の『虹色の涙』が大賞を受賞した。
 そして、『虹色の涙』の第1巻の発売日に、優の家に、学校一の美少女―瑠璃川羽澄がやってきた。

 「こんな素晴らしい作品になんてもったいないことしてるんだよ!!」

 瑠璃川羽澄は伊桜優の『虹色の涙』の中の恋愛描写にリアリティがないのを怒っていた。

「しょうがないだろう。俺……恋愛経験ないし」

 『虹色の涙』の中の恋愛描写にリアリティがないのは伊桜優に恋愛経験がまったくなかったからだ。

「わたしと同棲して?」

 だから、瑠璃川羽澄は提案した。自分と同棲することを。
 毎日自分と疑似恋愛をしたら、伊桜優の作品の恋愛描写がうまくなるだろうという理由で。

 そんな瑠璃川羽澄の提案を、伊桜優は不可解に思った。

「なんで才能のない俺のためにそこまでするの?」

「わたしを本気にさせたのは、君の才能なんだよ」

 この言葉に、伊桜優の心は揺らいで、つい瑠璃川羽澄が家に侵入するのを許してしまった。

 悲しいことがある度に泣いてしまう伊桜優。そして、その度に彼を励ます瑠璃川羽澄。
 毎日疑似恋愛をするうちに、伊桜優と瑠璃川羽澄の心は近づいていく。

 これは甘くて、ほんのりと酸っぱい泣き虫の男子高校生と学校一の美少女の同棲生活の物語。

「君の作品に恋をして、そして君に恋をした」

※「糖度1% 彼女がやってきた日」の素敵な挿絵はのの様(@07nono06)の作品です。
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