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いい加減にしてください!
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「いい加減にしてください! いつもいつも『ビクトリア』『ビクトリア』とうるさいですわ! そんなにビクトリア様がいいのでしたら今すぐにでも帝国に行って彼の方を取り戻したらいかがです!?」
もううんざりだ。
この人は私が何をしても前の婚約者であるビクトリア様と比べて貶す。
そんなに彼女の方がいいのなら取り戻すために行動の一つでも起こせばいいのだ。
なのにそれをしないで、悲しみや鬱憤を私で晴らすなんて最低だ。
そもそも私がビクトリア様のようにならないといけない理由なんて一つもない。
私に求められているのは王太子妃として相応しい振る舞いであり、決して王太子の好みの女性の振る舞いではない。
そんなことすら理解していない自己中心的で傲慢な男なんてうんざりだ。
こんな人と夫婦になるなんて寒気がする!
「なっ……!? ブリジット……お前、王太子である私に不敬だぞ!」
「知りませんよ! 王太子なら私を蔑んでもよいと? 大体ビクトリア様が帝国に行かれたことに私は一切関与しておりません! なのにさも私が悪いとばかりに毎日毎日ネチネチ愚痴愚痴と……もううんざりです! そんなに私が嫌ならお望み通り婚約は解消して差し上げますから!」
私は王太子の婚約者の座などこれっぽっちも望んでいなかった。
ただ他に成り手がいなかったから私が選ばれた、ただそれだけ。
未来の王妃にも、王太子の婚約者にもなりたいと思ったことなんて一度もない。
貴族令嬢の義務として受け入れただけの婚約で、どうしてここまで馬鹿にされなきゃいけないのか。
もう我慢も限界だ。
「お、お前に何が分かる!? 突如ビクトリアを失った私の気持ちが……!」
「私がそれを分かる必要があります? 子供じゃないんですからご自分の気持ち位、ご自分で処理なさってくださいませんか? 何で好きでもないうえにこちらを馬鹿にしてくるような人の気持ちを慮らねばなりませんの!」
私だって初めの頃は婚約者を突如失った彼に配慮する気持ちはあった。
だが私の言動に一々「ビクトリアならこうする」だの「ビクトリアならそういうことはしない」だのと駄目出しをする彼にそんな気持ちは消え失せた。
何故、いちいちビクトリア様と比べられなきゃいけないの?
何故、いちいち私を蔑んで馬鹿にするの?
そもそもビクトリア様が王太子の婚約者の座を退いたのは私のせいじゃないのに!
日々溜まっていく鬱憤に、とうとう私の我慢の限界がきてしまった。
王太子だろうが何だろうが、ここまで言われて大人しくしていられない。
「好きじゃない……? お前は、私が好きではないのか……?」
何でそんなショックを受けてるの?
顔を会わせるたびに罵倒してきたくせに、どうして自分が私に好かれていると思うの?
頭おかしいんじゃない?
「これっぽっちも好きではありません! むしろ大嫌いです! 毎日毎日ビクトリア様と比べては馬鹿にしてくる人をどう好きになれと? もう貴方の顔も見たくありません! 本日でお暇させていただきますので!」
もう、貴族の義務も王太子の婚約者の義務も知ったことか。
私は唖然とする王太子を置いてその場を立ち去った。
荷物を纏め、生家へと帰るために……。
もううんざりだ。
この人は私が何をしても前の婚約者であるビクトリア様と比べて貶す。
そんなに彼女の方がいいのなら取り戻すために行動の一つでも起こせばいいのだ。
なのにそれをしないで、悲しみや鬱憤を私で晴らすなんて最低だ。
そもそも私がビクトリア様のようにならないといけない理由なんて一つもない。
私に求められているのは王太子妃として相応しい振る舞いであり、決して王太子の好みの女性の振る舞いではない。
そんなことすら理解していない自己中心的で傲慢な男なんてうんざりだ。
こんな人と夫婦になるなんて寒気がする!
「なっ……!? ブリジット……お前、王太子である私に不敬だぞ!」
「知りませんよ! 王太子なら私を蔑んでもよいと? 大体ビクトリア様が帝国に行かれたことに私は一切関与しておりません! なのにさも私が悪いとばかりに毎日毎日ネチネチ愚痴愚痴と……もううんざりです! そんなに私が嫌ならお望み通り婚約は解消して差し上げますから!」
私は王太子の婚約者の座などこれっぽっちも望んでいなかった。
ただ他に成り手がいなかったから私が選ばれた、ただそれだけ。
未来の王妃にも、王太子の婚約者にもなりたいと思ったことなんて一度もない。
貴族令嬢の義務として受け入れただけの婚約で、どうしてここまで馬鹿にされなきゃいけないのか。
もう我慢も限界だ。
「お、お前に何が分かる!? 突如ビクトリアを失った私の気持ちが……!」
「私がそれを分かる必要があります? 子供じゃないんですからご自分の気持ち位、ご自分で処理なさってくださいませんか? 何で好きでもないうえにこちらを馬鹿にしてくるような人の気持ちを慮らねばなりませんの!」
私だって初めの頃は婚約者を突如失った彼に配慮する気持ちはあった。
だが私の言動に一々「ビクトリアならこうする」だの「ビクトリアならそういうことはしない」だのと駄目出しをする彼にそんな気持ちは消え失せた。
何故、いちいちビクトリア様と比べられなきゃいけないの?
何故、いちいち私を蔑んで馬鹿にするの?
そもそもビクトリア様が王太子の婚約者の座を退いたのは私のせいじゃないのに!
日々溜まっていく鬱憤に、とうとう私の我慢の限界がきてしまった。
王太子だろうが何だろうが、ここまで言われて大人しくしていられない。
「好きじゃない……? お前は、私が好きではないのか……?」
何でそんなショックを受けてるの?
顔を会わせるたびに罵倒してきたくせに、どうして自分が私に好かれていると思うの?
頭おかしいんじゃない?
「これっぽっちも好きではありません! むしろ大嫌いです! 毎日毎日ビクトリア様と比べては馬鹿にしてくる人をどう好きになれと? もう貴方の顔も見たくありません! 本日でお暇させていただきますので!」
もう、貴族の義務も王太子の婚約者の義務も知ったことか。
私は唖然とする王太子を置いてその場を立ち去った。
荷物を纏め、生家へと帰るために……。
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