わたくしは何も存じません
冤罪による凄惨な死を与えられた、アードラー王国の公爵令嬢ガブリエルは、死の間際に女神に祈った。願いを聞き届けた女神アルティナは、世界にやり直しを命じる。
目覚めた人々は、過去の過ちを悔いて言動を改めた。異世界から来た聖女への盲信を捨て、王族に疑いの目を向ける。取り繕おうとする彼らの足元が崩れる中、ガブリエルだけが『前回』を覚えていなかった。
守ろうとする周囲、取り込もうと画策する王家。ロイスナー公爵家は独立を選び、記憶を持たない娘の幸せを模索する。
ハッピーエンド確定(ロイスナー公爵家側)
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2025/12/29……小柄になろう、[四半期]ヒューマンドラマ〔文芸〕 1位
2025/10/17……小説家になろう、日間ハイファンタジー連載 3位
2025/10/17……エブリスタ、トレンド#ファンタジー 1位
2025/10/17……アルファポリス、HOT女性向け 12位
2025/10/16……連載開始
うむ。
言質を取られない様に上手い事伝えられた。
もっとも、バカ王女は納得などしないだろうけど。
とりあえず、王女の乗ってきた馬車を『メンテナンス』の名目で車軸ごと車輪を外しておきましょう。
この屋敷にある他の馬車も、公王が公務で使用するもの以外は全部。
そうすれば、どう頑張っても逃げ出せない。
後は屋敷周りを騎士達に固めて貰うのが良いでしょう。
屋敷にいる間は、お茶会でも開いてガブリエルやラファエルについていて貰って、よく監視しておきましょう。
ラファエルくんは、もしかしたら前回の『聖女』に似たナニカを感じ取るかも知れないですね。
ラファエルくん、強くなれ
二度と奪われない為に。
賢く、優しく、そして強い大人になっておくれ。
その切っ掛けは悲劇だったが、それだけに己の誓いを曲げる事は無いと信じる。
しかし、返すがえすも『厄ネタ』だなぁ王女。
大司教の実家侯爵家とやらも精査しないと駄目そう。
大司教の出自は庶子かな?
少なくとも貴族としては育てられずにいるにも関わらず、追放処分には横槍を入れる程度には支援している。おそらくその後の噂にも手を出して、侯爵家出身者の醜聞を隠しているしね。
こういうのは、先代辺りの落とし胤に割と見られるムーブだから、女神信仰否定派とは限らないけれど、根回ししておかないと邪魔をされる。
全てを道連れにしようとする狂気から解き放たれたのは良い事。
獅子身中の虫でもあるし、憎い仇でもある。
静かに、確実に仕留めましょう。
理解は出来るが、かつての侵略に対応出来なかったとしても王家と国そのものを恨むべきでは無かったね。
だが、度を過ぎた哀しみと憤りは、綺麗事では消化も昇華も出来ない。
人が生きる為には、復讐心も立派な燃料である事は間違い無いのだから。
侵略に対する防衛戦の最中に内部からの手引き。
その手引きをした者が、果たして何者であるのかは分からない。
だが、むざむざと敵国の間者の侵入を許した結果とは考え難い。
となれば誰か兵士等が籠絡された?
あり得ない話ではないが、例えば命の保証や良い条件での引き抜き、金銭での買収というのは事前に入念に決められたものでなければ信用も出来ない。
防衛戦の最中にというのはやはり可能性が低いと言わざるを得ない。
その点、聖職者なら疑われる事も無く、籠城戦中の城内に存在出来る。
女神を恨んでいるだろうが、案外、仇を討てるかも知れないね。
蠢く悪意
ただ、必殺の効力があるかと言えば微妙も良いところ。
現王家の血筋は既に断たれている。
跡継ぎをどうするかは問題だが、視野の広がった今の王なら、血筋では無く能力を見極める事も出来るだろうし、なんなら立憲君主制を目指してしまえば良い。
その辺りは慎重さも必要なので、もう少し立て直しが進んでからだが、とりあえず出来る事がある。
まずは『税収総額』と『今年度の事業計画』『各 事業ごとの予算』
そして『余剰金の有無とその運用計画』をざっくりとでも公に発表する事だ。
たとえ自分で字が読めず、計算出来ない者でも周囲に聞く事は出来るし、自分達の支払う税金の動きを可視化されれば、何となく気分が良くなるものだ。
あとはバルバラが、どの程度なら国の為に働く気があるのか。
娼館の利用者は貴族だけではない。
そこには兵士も富裕層も労働者階級もやって来る。
噂を知るなら酒場と娼館と昔から相場は決まっている。下手な動き方をしていれば、噂をばら撒く奴の尻尾も十分掴める筈だ。
潰れかけた国を欲しがる阿呆はおらん
自分で立て直せ。
まあ、まずは先代公爵が公爵領を開拓して立て直した時に使った手法を知る事だ。
公爵は護るべきものを護る為なら非情にもなれるが、真摯に頭を垂れて教えを請うならば無下にするタイプでは無い。
まず、国民を飢えさせない
その為に必要なものが何であるのかを考えよう。
政略結婚が嫌なら王女を辞めて、今までの教育費や王女として享受してきた全てを借金にして働け!ってお祖父様に一喝してほしいけど、腰がヤバいから女性陣の出番かな。
女神様、やり直しが必要なのは隣国にもいたようです。
家出……
とりあえず、王女殿下のそばに仕えていた侍女から警備責任者、警備担当、その他諸々が謂れなく罪に問われて人生詰む可能性があるってだけでも罪深いし、このお頭空っぽ傍迷惑がそれを自覚してない所がもうね……ふざけんなの塊なのよ。
教育どうなっとんのじゃ
責任者、出てこい
超常の御業に拘っても仕方がない
ただし、この事実は大きく広める事で、実はアードラー王国の国防には大いに役立つ。
なにせ『アードラー王国を守護する女神』は実在し、その権能を持ってすれば時を戻す事すら出来るのだから。
侵略者にとっては、苦心惨憺やった挙句に全部チャラにされる可能性が発生する。
そこまで都合よく神が力を振るうとは考え難いが、僅かでもある可能性としては、最上に嫌な可能性。
現王家の血筋は直系は既に断たれたも同然なので、傍系から引っ張ってくるしかないが、その王家主体で国家体制を作り直す間程度は有効な国防カードになり得る。
あっ!言われてみれば、たしかに。
この国だけ巻き戻したら、年齢の齟齬とかが発生するはずですもんね?
と、いうことは、関係諸国全部巻き戻して、国内だけ記憶を残して......って、そうすると、国内でも記憶のあるなし両方いる意味とか区別とか、陰謀に他国が関わってる場合はとかは、どうなるって話に。
ええ......単純にやり直せってだけじゃなくて、事態はもっと複雑......?
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