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3話 魔法使いの家系 その2

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(ハグリズ視点)


「ようこそ来ていただいた、サラサ。こうして会えて光栄だよ」

「サラサ・イントールです。以後、お見知りおきを」

「サラサ、君みたいな由緒正しい家系から魔法使いが生まれたこと、本当に運命だと思っているよ」

「ハグリズ様。以前はこの屋敷にも魔法使いがいたと聞きましたけど?」


 話が早いな。もうそんな噂が流れているのか。まあ、隠しておくことでもないがな。

「ああ、男爵令嬢のレナという女だ。まあ、見て分かる通り俺とは釣り合いが取れない女だった」

「男爵令嬢ですものね。それは釣り合いが取れないと思いますわ。反面、私とでしたらハグリズ様も文句はないのではなくて? ふふふ」

「もちろんだよ、サラサ。君を婚約者として迎え入れられることを光栄に思うよ。ははははは」


 その通りだった。相手がサラサ級の女であれば俺と釣り合いが取れるというものだ。加えてサラサは美しい、そして魔法使いだ。まあ、美しさで言えばレナも負けてはいなかったがな。男爵令嬢ごときではな……。


「それで、私は何をすればいいんですの? ハグリズ様」

「まあ、とりあえずはゆっくりしてくれればいいよ。この屋敷を自分の家だと思ってくれ」

「ええ、わかりましたわ」

「それから落ち着いたら、俺の仕事のサポートをしてもらいたい。魔法使いの力を行使すれば簡単なものばかりだと思うよ」

「それは助かりますわ。ありがとうございます。わかりました、あなたの仕事の支えとして頑張ればいいですのね?」

「その通りだよ、サラサ」


 まずはサラサには贅沢をさせてやらないとな。へそを曲げられても困るし。仕事の方はそれから徐々に覚えて貰えば大丈夫だろう。由緒正しき伯爵家の魔法使い……ふふふ、一体どれほどのものか非常に楽しみだ。今手掛けている土木事業なども大幅に完成日にちを短縮できるかもしれんな。

 それからサラサには何かプレゼントをしてやった方がいいかもしれん。なにがいいか……。

「サラサ、なにか欲しい物はないか?」

「あら、プレゼントしてくれますの?」

「そうだな。何が欲しい?」

「それなら貴族街で売っているダイヤのネックレスが欲しいですね。少々、お高いのですけれど……」

「ほう、ダイヤのネックレスか」


 確か貴族街に売られていたはずだ。確かに高かった覚えがあるが……まあ、仕方ないか。サラサにやる気を出して貰うための出費と考えれば安い方だろう。

「任せておけ。プレゼントしてやるさ」

「あら、太っ腹ですのね。ありがとうございます」


 まあ、その分しっかりと働いてもらうがな。レナが抜けた分の穴埋めをしてもらわないといけないからな。
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