ネコになりたい

不満はないのに、なにかしっくりこない日々。
 マンションのベランダから見える、隣家の縁側でネコたちがのんびり暮らしているのを、缶ビール片手にながめるのが、俺、泉裕太の日課だった。
 あの中に混ざりたいなぁ。
 なんて思っていたら、隣家でやってる習字教室のチラシがポストに入っていた。
 教室の見学も兼ねたお茶会の誘いに、いそいそと出かけて行った俺。
 縁側に座ってネコの眠っている隣で、おいしいお茶と饅頭をいただいて。
 ずっと、ここでこうやって、のんびりと過ごしていたいな。
 だからつい、つぶやいてしまったんだ。
「ネコになりたいなぁ」
って。
 
 だけど、本気でネコになるなんて思わなかった!
 この家に猫又がいるなんて、わかるわけないじゃないか!!
 猫又のオシロが言う。
「ネコになりたきゃ俺様に抱かれな」
 人間に戻りたいなら、この家の主、里見仁志さんに抱かれろって。
 いやいやいやいや!
 どっちも無理だろ?!
24hポイント 0pt
小説 66,296 位 / 66,296件 BL 5,804 位 / 5,804件