溺愛のカタチ

「ティエド、私たちの結婚の約束、なかったことにしてほしいの」
 イハナは、幼い時から慈しんでくれた婚約者に、別れを告げた。
「君がそれを望むなら、僕は応じよう」
 どこか安堵したような穏やかな顔をするティエドの心は、イハナにはわからない。
 ただ、彼が幸せになりますように、と心から祈っていた。


 ——これが溺愛だと、僕だけが知ればいい。
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