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当事者⑥ アルマ視点
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リチャードが倒れたと聞いて向かうと、そこにはアーサーと、彼がいた。アルマをリチャードの婚約者にして、この場にアルマを引き込んだ元凶。
リチャードに影響が出たのは今回が初めてだが、それは充分起こり得ること。アルマ達には慣れたことでも、慣れない彼が順応できるはずはないのだ。
ましてや自分の意思がある私達とは違い、ほぼ巻き込まれているだけのリチャードならば、慣れなくても当然のこと。
アルマはリチャードの婚約者になったが、その役目は婚約者というよりは保護者。彼が二度と死なないように監視を続ける監視者みたいなものだ。
彼は本人の意思関係なく何度か死んでいて、アルマにはそれを止める手立てがあった。
故にアルマはリチャードの父親に認められなくてはならなかったし、あのぼんやりした今のリチャードの婚約者にならなければならなくなった。
リチャードの死が引き起こすものの所為で多大な迷惑を被った存在がアルマの依頼主。彼に対しては多くを知らないが、アルマはそれでいいと思っていた。
彼が倒れたところから、時系列を繋ぎ合わせて、何もなかったことにしたが、リチャード側には記憶が残ってしまった。本人はそれを夢として処理していたようだが、どう考えても無理がある。
アルマはリチャードに良い印象を抱きつつあったので、彼が苦しむのを見たくないと思ってしまった。
アルマ自身はあまり嘘が得意ではない。アーサーは驚くほど流れるように嘘をつくが、そこまで非情になりきれないのが、アルマだし、多分リチャードも同じタイプだろう。
彼は毎回些細なことで命を落とす。その原因の一つとして、ある女性の存在があり、彼女に関わると彼は確実に死に近づく。だから、今回は彼女に再会し、のめり込むまでに彼に新しい婚約者を与えてしまおう、とした。
アルマは自分がその役目を与えられた時は仕方ないと思った。現状、リチャードの死に関わる女性に対抗できるのは彼女と同等の力を持ったアルマしかいない。
アルマは自身の能力で、リチャードを保護し、生かさなければならない。
今までリチャードに接して来て彼は決して悪人ではないとわかっているものの、あまりの呑気さにイライラを抑えられずにいた。
リチャードは誰からも愛される存在だ。だが、彼を愛する者の中には厄介な奴等も紛れ込んでいる。アルマはある意味赤子のような無垢な彼を、そんな厄介な奴等から救い出さなければならなかった。
何度も繰り返される死の記憶は、リチャードを苦しめるのだろうか。正気を保てる間にアルマは彼を助け出せるかどうか段々自信がなくなって来ていた。
リチャードに影響が出たのは今回が初めてだが、それは充分起こり得ること。アルマ達には慣れたことでも、慣れない彼が順応できるはずはないのだ。
ましてや自分の意思がある私達とは違い、ほぼ巻き込まれているだけのリチャードならば、慣れなくても当然のこと。
アルマはリチャードの婚約者になったが、その役目は婚約者というよりは保護者。彼が二度と死なないように監視を続ける監視者みたいなものだ。
彼は本人の意思関係なく何度か死んでいて、アルマにはそれを止める手立てがあった。
故にアルマはリチャードの父親に認められなくてはならなかったし、あのぼんやりした今のリチャードの婚約者にならなければならなくなった。
リチャードの死が引き起こすものの所為で多大な迷惑を被った存在がアルマの依頼主。彼に対しては多くを知らないが、アルマはそれでいいと思っていた。
彼が倒れたところから、時系列を繋ぎ合わせて、何もなかったことにしたが、リチャード側には記憶が残ってしまった。本人はそれを夢として処理していたようだが、どう考えても無理がある。
アルマはリチャードに良い印象を抱きつつあったので、彼が苦しむのを見たくないと思ってしまった。
アルマ自身はあまり嘘が得意ではない。アーサーは驚くほど流れるように嘘をつくが、そこまで非情になりきれないのが、アルマだし、多分リチャードも同じタイプだろう。
彼は毎回些細なことで命を落とす。その原因の一つとして、ある女性の存在があり、彼女に関わると彼は確実に死に近づく。だから、今回は彼女に再会し、のめり込むまでに彼に新しい婚約者を与えてしまおう、とした。
アルマは自分がその役目を与えられた時は仕方ないと思った。現状、リチャードの死に関わる女性に対抗できるのは彼女と同等の力を持ったアルマしかいない。
アルマは自身の能力で、リチャードを保護し、生かさなければならない。
今までリチャードに接して来て彼は決して悪人ではないとわかっているものの、あまりの呑気さにイライラを抑えられずにいた。
リチャードは誰からも愛される存在だ。だが、彼を愛する者の中には厄介な奴等も紛れ込んでいる。アルマはある意味赤子のような無垢な彼を、そんな厄介な奴等から救い出さなければならなかった。
何度も繰り返される死の記憶は、リチャードを苦しめるのだろうか。正気を保てる間にアルマは彼を助け出せるかどうか段々自信がなくなって来ていた。
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