機姫想杼織相愛 ~機織り姫は、想いを杼に、相愛を織る~
――最高の布を織るためには、機織り女は、男を知ってはならない。
師匠でもある亡き祖母から、強く言われて育った里珠。
その言葉通り、十八になるまで、男も知らず、ただひたすらに機織りに熱中していたのだけど。
ある日、里珠の家の庭に落ちてきた男。如飛。
刑吏に追われていた彼に口づけられ、激しいめまいのような、嵐のような情動に襲われる。
けれど、それは一瞬のことで。もう永遠に彼には会わないと思ってたのに。
――面を上げよ。
いきなり連れてこられた皇宮で。里珠を待っていたのは、如飛。
彼は、この国の新しい皇帝で。自分を支えてくれる〝陰陽の乙女〟を捜していた。
代々皇帝の一族は、庶民にはない魔力を持って国を治めていて。その膨大な魔力を維持するためには、身の内にある陰陽を整えなくてはいけなくて。乙女は、皇族と交わることで、陰陽の均衡を保つ存在。
ゆえに、乙女なしに、皇帝には即位できず、如飛は、自らの乙女を必要としていた。
「別に、お前をどうこうしようとは思っていない。ただこの後宮で暮らしてくれればよい」
そう、如飛は言ってくれて、里珠のために、新しい機と糸を用意してくれるけど。
(本当に、それだけでいいの?)
戸惑う里珠に、重ねて如飛が言う。
「愛してもないのに交わるのは、互いに不幸になるだけだ。俺は、国のためだけに誰かを不幸にしたくない」
里珠を想うからこそ出た言葉。過去にいた、悲しい乙女を知っているからこそ、如飛は里珠を不幸にしたくなかった。
それらすべてを知った里珠は、如飛の危機に駆けつけて――?
街の機織り女と力を操る皇帝の、真っ直ぐ一途な恋物語。
師匠でもある亡き祖母から、強く言われて育った里珠。
その言葉通り、十八になるまで、男も知らず、ただひたすらに機織りに熱中していたのだけど。
ある日、里珠の家の庭に落ちてきた男。如飛。
刑吏に追われていた彼に口づけられ、激しいめまいのような、嵐のような情動に襲われる。
けれど、それは一瞬のことで。もう永遠に彼には会わないと思ってたのに。
――面を上げよ。
いきなり連れてこられた皇宮で。里珠を待っていたのは、如飛。
彼は、この国の新しい皇帝で。自分を支えてくれる〝陰陽の乙女〟を捜していた。
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そう、如飛は言ってくれて、里珠のために、新しい機と糸を用意してくれるけど。
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「愛してもないのに交わるのは、互いに不幸になるだけだ。俺は、国のためだけに誰かを不幸にしたくない」
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