好きな人から毎晩届く恋の歌。これって私への告白ですか?
高校二年生の小宮千夏は、明るくて男子とも普通に話せる。
けれど、片思い中のクラスメイト・瀬尾直人だけは別だった。
目が合えば一日中うれしい。話しかけられれば返事をしたあとで何度も思い返す。LINEが届けば、すぐに開くべきか少し待つべきかで悩んでしまう。
そんな千夏は、文化祭でクラスカフェの選曲係になった。
もう一人の係に立候補したのは、まさかの直人。
二人は文化祭まで、毎晩一曲ずつ候補の曲をLINEで送り合うことになる。
最初は、誰にでも勧められるような曲だった。
ところが、直人から届く曲は少しずつ恋の歌ばかりになっていく。
これは文化祭で流したいだけの曲?
それとも、私に聴かせたい曲?
聞けるはずもない千夏は、直人から一曲届くたびに喜び、意味を考えすぎて眠れなくなる。
学校で直人がほかの女子と話していれば嫉妬する。LINEの返事が少し遅ければ落ち込む。それでも夜になって曲が届けば、また期待してしまう。
そんな中、直人が文化祭の後夜祭で誰かに告白するらしいと知ってしまった。
相手は私かもしれない。
でも、最近よく直人と一緒にいる、あの子かもしれない。
文化祭まで、あと十四日。
千夏は今日もスマホを握ったまま、直人から届いた一曲を何度も聴き直す。
ただ、千夏はまだ知らない。
直人も毎晩、千夏へ送る曲を何度も選び直し、LINEの文章を書いては消していることを。
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