悪役令嬢ですが毎日実験台にされています——その新薬、絶対に効きませんけれど
「毒蛇のオクタヴィア」。そう恐れられた侯爵令嬢は、継母を毒殺しようとした濡れ衣で断罪され、家名も婚約者も、行き場のすべてを失った。たどり着いた先は、王立錬金術研究所の地下。命がけの新薬治験の、被験者番号「7号」。
治験は初日から常軌を逸していた。飲まされた薬で、その場で髪が虹色に。翌日は体が天井につかえるほど巨大化し、そのまた翌日には、鏡に映らない――透明になった。毎日ちがう副作用に、令嬢のプライドは木っ端みじんである。
けれど担当の錬金術師クラウスだけは、決して笑わない。無表情のまま手帳に何か書きつけ、平然と言うのだ。「これも効かない。次だ」。
効かないなら、なぜ毎日わたくしに飲ませるの――? 陽気な治験仲間、気弱な助手、令嬢を"番号"としか呼ばない嘘つきの錬金術師。奇妙な地下の日々に、オクタヴィアは笑うことを思い出していく。左手首に浮かんだ宵闇色のあざが、日ごとに濃くなっていくことにも気づかないまま。
――その薬たちが「絶対に効かない」のは、本当だった。ただし、彼女が思うのとは、まるでちがう意味で。
※本作は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
治験は初日から常軌を逸していた。飲まされた薬で、その場で髪が虹色に。翌日は体が天井につかえるほど巨大化し、そのまた翌日には、鏡に映らない――透明になった。毎日ちがう副作用に、令嬢のプライドは木っ端みじんである。
けれど担当の錬金術師クラウスだけは、決して笑わない。無表情のまま手帳に何か書きつけ、平然と言うのだ。「これも効かない。次だ」。
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