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第二部
第7話 キースが訪ねてくる
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カフェでの一件から、ホットラードは花束や手紙などを送り付けてくるようになった。
なんで、私がこんな嫌がらせを受けないといけないのよ。
あのカフェに行った私が悪いの?
立入禁止区域とかに入ったりするのは別だけど、基本、私が休みの日にどこに行こうが勝手よね。
それにあの男、婚約者はどうなってんのよ。
アリスというものがありながら、現在の婚約者のボートワール嬢と浮気して婚約を解消し、その後すぐにボートワール嬢と婚約したくせに、今度は自分が浮気されたから、復縁を求めてくるなんて都合良すぎるでしょ。
というか、そんな事、普通の人間がやる事でも考える事でもない。
届いた手紙の一通目は興味本位で開封して読んでみたけど、私への謝罪、いや、アリスへの謝罪は一切なく、昔のアリスが大人しくて暗く感じたとか、愛を感じられなかっただの、イライラする事しか書かれていなかったので、感情の赴くままに細かく破ってゴミ箱に捨てた。
だってゴミだものね。
もちろん、花束やプレゼントはもったいないから、丁重に受け取り拒否した。
この嫌がらせに関しては、哲平からラス様に連絡をいれてもらう事にした。
だって、テツはイッシュバルド家の人間なんだから、横槍を入れてくるなら、ぜひ、お兄様にも介入していただいて黙らせてもらってもいいと思ったから。
復縁なんて天と地がさけてもないけど、ホットラードのせいでアリスの評判が落ちたのだから、こんな事で許してやるつもりはない。
ただ、ホットラードは違う学園に通っているから、普段は接点がないし、自ら会いに行くか、手紙に書かれている誘いを受けるか、もしくは社交場で会うかしかない。
会わなくても済む方法があるのはわかってるけど、やられたなら自分でやり返したいのよね。
やっぱり、社交場かしら。
違う場所で会えば、ホットラードは自分の都合のいいようにしか取らないだろうから。
あと、ボートワール嬢は学園が同じみたいだし、確認しなくちゃいけないわね。
日記を読んだかぎりでは、アリスはその女にも散々ひどい事を言われてたみたい。
人の婚約者を奪っておいて、いじめまでするなんて最低な女よね。
しかも、ホットラードの言葉を信じれば、浮気までしてるみたいだし…。
そんな事を考えていた数日後の夕方、ご飯の前に先に風呂に入ってサッパリし、部屋着姿になってからベッドに寝転んでくつろいでいたら、執事のフリードさんがやって来て言った。
「キース様がお見えです」
キースとは今日は学園でも会ったのに、わざわざ家を訪ねてくる事にも驚いたけど、私を呼んでいる事にも驚いた。
「テツにじゃなくて?」
「テツ様は先に行っておられます。テツ様が自分の範疇ではない、と仰られているのと、キース様がお嬢様を呼んでほしいとの事で」
「わざわざありがとう。どうせなら、キース達も一緒にここに来ればいいのにね」
「レディの部屋に婚約者でもない殿方が入るのは良くないからでしょう」
「あー」
フリードさんの言葉に納得する。
日本でなら婚約者も一緒なら他の男性を部屋に入れても許されそうだけど、この世界は違うわよね。
それに、今は夜に近いし、女性宅にこんな時間にやって来るのは、貴族的にはあまり良くないのかもしれないから余計でしょうね。
「すぐ行くわ」
「お嬢様」
「はい?」
「レディなのですから、そのままの格好で殿方の前に出ない様にしてください」
「はい」
フリードさんから真剣な表情で言われ、このままの格好で行こうとしていた私は、大人しく扉を閉め、部屋着から人前に出ても失礼のない服装に着替えることにした。
ノースリーブの水色のワンピースに白のショールで良いかな。
「あ、キースの分も余分に食事はあるかしら?」
「ご用意するように伝えておきます」
服装チェックをするためか、部屋の前で待ってくれていたフリードさんに、部屋を出て歩きながら尋ねると、私の言葉に頷いてから厨房の方に向かっていく。
その背中を見送ったあと、キース達がいる応接間へ向かった。
なんで、私がこんな嫌がらせを受けないといけないのよ。
あのカフェに行った私が悪いの?
立入禁止区域とかに入ったりするのは別だけど、基本、私が休みの日にどこに行こうが勝手よね。
それにあの男、婚約者はどうなってんのよ。
アリスというものがありながら、現在の婚約者のボートワール嬢と浮気して婚約を解消し、その後すぐにボートワール嬢と婚約したくせに、今度は自分が浮気されたから、復縁を求めてくるなんて都合良すぎるでしょ。
というか、そんな事、普通の人間がやる事でも考える事でもない。
届いた手紙の一通目は興味本位で開封して読んでみたけど、私への謝罪、いや、アリスへの謝罪は一切なく、昔のアリスが大人しくて暗く感じたとか、愛を感じられなかっただの、イライラする事しか書かれていなかったので、感情の赴くままに細かく破ってゴミ箱に捨てた。
だってゴミだものね。
もちろん、花束やプレゼントはもったいないから、丁重に受け取り拒否した。
この嫌がらせに関しては、哲平からラス様に連絡をいれてもらう事にした。
だって、テツはイッシュバルド家の人間なんだから、横槍を入れてくるなら、ぜひ、お兄様にも介入していただいて黙らせてもらってもいいと思ったから。
復縁なんて天と地がさけてもないけど、ホットラードのせいでアリスの評判が落ちたのだから、こんな事で許してやるつもりはない。
ただ、ホットラードは違う学園に通っているから、普段は接点がないし、自ら会いに行くか、手紙に書かれている誘いを受けるか、もしくは社交場で会うかしかない。
会わなくても済む方法があるのはわかってるけど、やられたなら自分でやり返したいのよね。
やっぱり、社交場かしら。
違う場所で会えば、ホットラードは自分の都合のいいようにしか取らないだろうから。
あと、ボートワール嬢は学園が同じみたいだし、確認しなくちゃいけないわね。
日記を読んだかぎりでは、アリスはその女にも散々ひどい事を言われてたみたい。
人の婚約者を奪っておいて、いじめまでするなんて最低な女よね。
しかも、ホットラードの言葉を信じれば、浮気までしてるみたいだし…。
そんな事を考えていた数日後の夕方、ご飯の前に先に風呂に入ってサッパリし、部屋着姿になってからベッドに寝転んでくつろいでいたら、執事のフリードさんがやって来て言った。
「キース様がお見えです」
キースとは今日は学園でも会ったのに、わざわざ家を訪ねてくる事にも驚いたけど、私を呼んでいる事にも驚いた。
「テツにじゃなくて?」
「テツ様は先に行っておられます。テツ様が自分の範疇ではない、と仰られているのと、キース様がお嬢様を呼んでほしいとの事で」
「わざわざありがとう。どうせなら、キース達も一緒にここに来ればいいのにね」
「レディの部屋に婚約者でもない殿方が入るのは良くないからでしょう」
「あー」
フリードさんの言葉に納得する。
日本でなら婚約者も一緒なら他の男性を部屋に入れても許されそうだけど、この世界は違うわよね。
それに、今は夜に近いし、女性宅にこんな時間にやって来るのは、貴族的にはあまり良くないのかもしれないから余計でしょうね。
「すぐ行くわ」
「お嬢様」
「はい?」
「レディなのですから、そのままの格好で殿方の前に出ない様にしてください」
「はい」
フリードさんから真剣な表情で言われ、このままの格好で行こうとしていた私は、大人しく扉を閉め、部屋着から人前に出ても失礼のない服装に着替えることにした。
ノースリーブの水色のワンピースに白のショールで良いかな。
「あ、キースの分も余分に食事はあるかしら?」
「ご用意するように伝えておきます」
服装チェックをするためか、部屋の前で待ってくれていたフリードさんに、部屋を出て歩きながら尋ねると、私の言葉に頷いてから厨房の方に向かっていく。
その背中を見送ったあと、キース達がいる応接間へ向かった。
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