桜前線、北上す ―「極彩色の静止した爆発」―
「世界から音が消え、日本は『桜』に飲み込まれた」
2126年3月15日。鹿児島から始まった桜前線は、例年通りの春の訪れではなく、人類の終焉の合図だった。
秒速3メートルで北上する「花の壁」は、文明を粉砕し、吸い込んだ人々を美しい樹木へと変質させていく。
逃げ場のない終末の中、自衛官の紗世と解析官の暁人が見たものは、絶望か、それとも救済か。
散りゆく花びら一枚一枚に宿る、失われていく記憶の物語。
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