君を忘れるたび、恋をする

気付けば、同じ朝を繰り返している気がした。

目が覚めるたび、隣にいたはずの誰かを思い出せない。
けれど、なぜかその空白は怖くなかった。

名前だけが残る。声だけが残る。
それなのに、顔だけがどうしても思い出せない。

『シロ』

ただそれだけの名前が、胸の奥に引っかかって離れない。

僕は⋯この人を知らないはずなのに。

どうしてこんなに、苦しいのだろう。

忘れていく僕と、忘れられない“彼女”。

その日常は⋯少しずつ、静かに壊れていく。
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