婚約者の幼馴染からの仲良しマウントが酷いので、お望み通り別れることにしました

 公爵令嬢のグレースには、二人の幼馴染がいた。

 1人目は婚約者であるイヴァン。

 もう1人は同じく公爵令嬢のジェシー。


 3人は幼少期より共に過ごして来た仲だった。


 しかし、グレースとイヴァンが婚約してからの、ジェシーの動きがどうもおかしい。

 必要にイヴァンにくっつき、グレースとイヴァンの仲を邪魔する。

 さらに、

「えっ、嘘!? グレース、知らないの? イヴァンってさ……」

「イヴァンと私の秘密だから、グレースには内緒よ」

「イヴァンと前二人きりで遊びに行ったんだけど、別に良いよね。幼馴染だし」

 と、通称「仲良しマウント」を永遠と取られる。

 グレースを守ってくれるはずのイヴァンも、ジェシーにそう言われ、満更でもなさそうだった。


 グレースはずっと我慢し続けて来たが、とうとう堪忍袋の緒が切れる。

「ていうかさ、私とイヴァンが婚約すれば良かったのにね。こんなに仲良いし」

 と言うジェシーと、否定せずに笑うイヴァンの姿を目撃してしまったからだ。


 ……良いわ。

 あなたたちのお望み通り、婚約破棄してあげる。
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