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5、英雄決意する
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「はあぁぁぁぁぁぁぁっ。」
深くて長いため息が溢れでた。ただし、今度のため息はさっきよりは少しだけ軽いものになっていた。
「このままではダメだ。」
改めて、そう声に出してみると、さっきよりもだいぶ気持ちが浮上してきているのが感じ取れる。そのお陰なのか、さっきよりも前向きな考えができるようになっていた。
ーーずっと後ろ向きな考えしか思い浮かばず、考えれば考えるほどに意識を集中することもできなくなっていて、もはや考えることもやめていた自分が悲しくて哀れになっていて、それでいて問題でしかない問題に抵抗しなかった自分に今度は腹を立ててしまう。
「……??」
俺は以前のように普通に自分に腹をたてることもできるようになっていたことに、ようやく気が付いた。
ーーそういえば、ここのところまともな考えを持つようなことができなくなってきていて、毒にも薬にもならない当たり障りのない考えしか出来なかったことに、ここにきてようやく強く認識した。
勿論、忙しさのあまり……なのだが、一応自分には《毒耐性》とか《麻痺耐性》とか《状態異常無効》とか《痛覚耐性》とか、その辺りの自分を守ることができるスキルは必要なものはほとんど《レベルMAX》で持っているけど……まあ、この辺は使わない方がいいのだが。
それでも異常状態だったことにどれほどの過酷な状況におかれていたのかとゾッとする。
「はぁっ。」
やっぱり思考が偏っているのがひしひしと肌で感じてくる。
「このままでは駄目なんだ。」
その言葉を繰り返して、もっと前向きになるように気持ちをあげながら、
《これからどうするべきか》
今一番必要なことを考えた。
本当なら、もっと早くに気付いて考えるべきだったこと。
ーーまだ、遅くないと考えながら、思案する。
「ーー人を助けることはいい。いや、むしろ率先してやりたいくらいだ。」
ーーでも、今みたいに自分の気持ちを殺してまで、自分のことを酷使するようなことはしたくない。
ーー人を助けるのに忙しいのは、そのことはいいんだ。さっきも言った通り、むしろ率先してやりたいくらいで。
なるべく多くの人を助けるためには、健康でないといけない。体を壊してなんかいたら、助けにいくこともできない。
ーーそう考えてみて、やっぱり今のままでは駄目だと嫌というほどにわかる。
ーーどうしてこうなってしまったのか、今度はそのことを考えてみた。
ーーそうだ。
伝統ある『王宮魔術団』に入れたまではよかった。これは間違いない。
そして、恵まれなかったのは職場の上司と同僚と部下なのだ。複数人いるのが寂しすぎる。
この中でひとつでもいい人と出会えていたら、人間関係に恵まれていたら、今の状況になんてならなかっただろう。
せめて同僚だけでも恵まれていたら、そうたったひとりでも信頼し合える仲間がいたら、お互いを助け合って励まし合って、嫌な上司たちからの嫌がらせにも同僚後輩たちからの嫌がらせにも耐えられていたはず……。
「……はぁぁぁっ。それも今さらか。」
俺は今さら考えても無駄なことを頭を振って頭から振り払う。
「そうだ。今、俺がまず考えるべきことは……」
と、改めて今の状況を打開するためにどうするべきなのかと少し考え込むのだった。
深くて長いため息が溢れでた。ただし、今度のため息はさっきよりは少しだけ軽いものになっていた。
「このままではダメだ。」
改めて、そう声に出してみると、さっきよりもだいぶ気持ちが浮上してきているのが感じ取れる。そのお陰なのか、さっきよりも前向きな考えができるようになっていた。
ーーずっと後ろ向きな考えしか思い浮かばず、考えれば考えるほどに意識を集中することもできなくなっていて、もはや考えることもやめていた自分が悲しくて哀れになっていて、それでいて問題でしかない問題に抵抗しなかった自分に今度は腹を立ててしまう。
「……??」
俺は以前のように普通に自分に腹をたてることもできるようになっていたことに、ようやく気が付いた。
ーーそういえば、ここのところまともな考えを持つようなことができなくなってきていて、毒にも薬にもならない当たり障りのない考えしか出来なかったことに、ここにきてようやく強く認識した。
勿論、忙しさのあまり……なのだが、一応自分には《毒耐性》とか《麻痺耐性》とか《状態異常無効》とか《痛覚耐性》とか、その辺りの自分を守ることができるスキルは必要なものはほとんど《レベルMAX》で持っているけど……まあ、この辺は使わない方がいいのだが。
それでも異常状態だったことにどれほどの過酷な状況におかれていたのかとゾッとする。
「はぁっ。」
やっぱり思考が偏っているのがひしひしと肌で感じてくる。
「このままでは駄目なんだ。」
その言葉を繰り返して、もっと前向きになるように気持ちをあげながら、
《これからどうするべきか》
今一番必要なことを考えた。
本当なら、もっと早くに気付いて考えるべきだったこと。
ーーまだ、遅くないと考えながら、思案する。
「ーー人を助けることはいい。いや、むしろ率先してやりたいくらいだ。」
ーーでも、今みたいに自分の気持ちを殺してまで、自分のことを酷使するようなことはしたくない。
ーー人を助けるのに忙しいのは、そのことはいいんだ。さっきも言った通り、むしろ率先してやりたいくらいで。
なるべく多くの人を助けるためには、健康でないといけない。体を壊してなんかいたら、助けにいくこともできない。
ーーそう考えてみて、やっぱり今のままでは駄目だと嫌というほどにわかる。
ーーどうしてこうなってしまったのか、今度はそのことを考えてみた。
ーーそうだ。
伝統ある『王宮魔術団』に入れたまではよかった。これは間違いない。
そして、恵まれなかったのは職場の上司と同僚と部下なのだ。複数人いるのが寂しすぎる。
この中でひとつでもいい人と出会えていたら、人間関係に恵まれていたら、今の状況になんてならなかっただろう。
せめて同僚だけでも恵まれていたら、そうたったひとりでも信頼し合える仲間がいたら、お互いを助け合って励まし合って、嫌な上司たちからの嫌がらせにも同僚後輩たちからの嫌がらせにも耐えられていたはず……。
「……はぁぁぁっ。それも今さらか。」
俺は今さら考えても無駄なことを頭を振って頭から振り払う。
「そうだ。今、俺がまず考えるべきことは……」
と、改めて今の状況を打開するためにどうするべきなのかと少し考え込むのだった。
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