反魂香 ──姦詐の49日──【夫人叢書④】


雫は確かに死んだ──筈だった

誰かが反魂香を焚いた。
死人を生き返らせる香を。
けれど焚いた本人は49日までに生者の証を見せなければ死んでしまう。
生者の証明。
それは生命を作り出す事──

「蘇らせたのは俺だ」
雫の恋人の涼太。
「君の代わりに僕は死んじゃうな」
雫を好きな弦。

どちらも雫を蘇らせたのは自分だと言い張る。
雫はどうすればいいの?

──それに反魂香は2つあったのに──
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