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true love 本当の……

裏AV

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  「……俺をどうしても犯罪者にしたいのかよ?」

   信の声が恐ろしいほど低くなる。

   骨が砕けそうなほど、握りしめている手に力を込めてきた。

   こんなに執着する人だとは思わなかった。

  「……いいか? 俺のやったことは違法じゃないんだよ。一人暮らしの彼女の為に防犯カメラを設置した、そんだけ。映像を他人に見せてもないから犯罪じゃない!」

    すごい開き直りよう……。

    自由な信にとって、書類送検なんて、何も影響がないのかもしれない。

  「……でも、別れたのよ? 別れたのに監視してるって、異常でしょ?」

 「異常? 良くそんなこと言えるな。浮気したくせに!橋元と他の野郎と三股かけてたくせに!」

   何を言っても無駄だ。

   どうしたら納得してもらえるのか……。


  「信、慰謝料貰えば?」


    ずっと車で、私と信のやり取りを聞いていた山下が、とうとう口を挟んできて、車から降りてきた。

 「信のカメラの件はもうカタ着いたんだから。それ以前に、結婚の約束してたのに他に男がいた、そっちの問題はカタ着いてねーやん、な?」

   慰謝料……。
  この人、この前もそんなこと言ってなかった?

  「……そうだ。俺は伊織と寄りを戻したかったけど、どうしても無理なら、お金で話を着けてもいい」

   信は、私から手を離して、少しだけ顔を緩めて見せた。

  「お金って……」

    薔薇園が儲かってるはずの信が、お金に拘る事を言うのは不自然。

 「俺ら、開店資金、結構必要なんだわ」

   山下の言葉を聞いて納得した。

    この人、信を利用して開店資金が欲しいだけなんだ、と。

    たまたま私と別れた信に、お金が取れそうなネタがあるからツルんでる。


  「信……バーの共同経営なんて、やめた方がいい」

   逆に、信が気の毒になった。


    もう、関係ないと思ってたけれど、信が利用されてるんだと思ったら、言わずにはいられなかった。

  「 なんで、そんなことお前に言われなきゃいけないんだよ!」

   信以上に山下がキレる。

   それでも見て見ぬふりはできない。
   私は、信に向かって続けた。

  「農園の傍ら、たまにバイトで飲み屋で働くのはいいかもしれない。けど、経営ってそんなに簡単じゃないと思う。バラの方だって切り盛りしていくのは大変じゃないの。それを、女からのお金をあてにして友達と店を始めるなんて無謀すぎる」


 「じゃあ、伊織が、そばで俺を見守っててくれよ」

  信が、再び私の手を掴もうとして、

  「おい、鷲塚!あんまり調子乗ったら、こっちにも考えあるんだからな!」

   それを阻むように、山下が間に入る。

    山下が落ちた桃を踏み、それが跳ねて信のズボンを汚していた。

  「う、わ」

   信が、高そうなズボンを慌てて叩く。
   それには目もくれず、山下は本性を明らかにした。

  「お前が信に慰謝料払わないんなら、画像と動画を持って、橋元に代わりに払ってもらってもいいんだぞ?」

   今まで見てきた、どの人間よりも濁った瞳孔。

 「それでも橋元が拒否したら、顔丸出しの裏AVでさばいてやるよ」



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