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第六章・次期皇太子はドS!? 3

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 それから数日後。手紙の通り、密かに葬式が行われたらしい。そして両親はその足でそのまま私に会いに来てくれた。
 玄関の外で待っていると二人が馬車から降りてきた。
 久しぶりに会ったお母様とお父様は少しやつれているような気がする。
 私を見るなりお母様は泣きながら強く抱き締めてくれた。
「エルザ、よくご無事で。会いたかったわ」
「お母様……私もです」
 久しぶりに抱くお母様のぬくもりに私まで涙がこぼれそうになる。
 お父様の方を見ると、申し訳なさそうにするも、優しい表情をしていた。
「お父様」と呼ぶと私とお母様ごと抱き締めてくれた。
「……すまなかったな、エルザ。父親なのに何もしてやれなくて」
「いえ……そんな事はありませんわ。お会い出来て凄く嬉しかったです。さあ、中にどうぞ。息子も待っていますわ」
 私はニコッと微笑み、二人を邸宅の中を案内する。中は『ホワイトキャッスル』に似ているので驚いていた。 応接間に案内する。クリスは乳母のケイリー夫人に抱っこされていた。ケイリー夫人が挨拶をすると、すぐにクリスが口を開いた。
『よく来てくれた。サファード公爵。そして公爵夫人』
「クリス様!? ご、ご挨拶を申し上げます」
 両親は息子を見るなり慌てて頭を下げ始める。えっ? もしかして、すでにご存知だったの!? 二人の様子に驚いた。
 手紙のやり取りでは事情はレイヴァン様から聞いて知っていると書かれていたが。
 どちらにしろ、クリスは次期皇太子候補なのでサファード公爵家より身分は高い。
 そのため先に挨拶するのは当然と言えば当然だが。
『顔を上げろ。今は娘と孫の顔を見に来たのであろう?』
「は、はい……」
 お父様は、そう返事を返すが緊張をしている様子だった。
 クリスの方はフフッと笑う。そしてソファーの方に座るように指示を出す。
 ソファーの近くのテーブルにはケーキやお菓子が準備しておいた。
 両親が向かい側の席に座ると、私は反対側の席に座る。その際にクリスは私の膝の上をもたらせるように座らせる。今だと支えがあれば座れるぐらいだ。
 少し緊張した様子だったが、お父様は咳払いをすると先に口を開いた。
「エルザ。手紙に書いたと思うが、事情は殿下から聞いている。
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