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第六章・次期皇太子はドS!? 12

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「パパだよ。パパ」
「うっ~まんま」
 すると私の方を見てママと言ってくる。いや……私じゃなくて。
「どうしたんだ? パパだぞ? パパ」
「ふ、ふえ~ん」
 何度も呼ばせようとするのだが、段々とぐずり出してしまう。泣かれてしまうので、レイヴァン様は慌ててあやそうとする。
 すると何処からか、クスクスと笑う声が聞こえてきた。女性の笑い声だわ!?
 そうしたら黄金に輝き出すと人の形になっていった。姿を現したのは、同じ容姿をしており、私より長く腰まである金髪。そして虹色の目をした女性だった。
 えっ……この方もサファード一族なの!?
 私とレイヴァン様は驚いた表情をする。すると、輝きが止み、その女性の目は普通の碧眼に戻っていく。
 私とレイヴァン様を見ると、ニコッと優しく微笑んでくれた。わぁ……私にそっくり。いや……私よりも綺麗だけど。それに見たところ年上だろう。
 二十代後半か、三十代前半ぐらいだろうか? それに何だか懐かしく感じる。
 女性は驚いている私達に近寄り話しかけてきた。
「フフッ……クリス様が父親が変わるかもしれないからと、クリスティーナ様に情報を教えなかったので父親として認識していないのでしょう。直に認識すると思いますわ」
「父親だと……認識させていない? あの野郎は」
 女性の言葉にショックを受けるレイヴァン様。ボソッと怒りを露わにしていた。
 女性はそれを見てクスクスとさらに笑っていた。
「あの……あなた様は?」
「あ、申し遅れました。私はメアリー・サファード公爵夫人でございます。メアリー夫人とお呼び下さい。未来の皇帝陛下と皇妃様にご挨拶を申し上げます」
 ドレスの裾を上げて綺麗なお辞儀をしてきた。
 メアリ・サファード公爵夫人ですって!? ま、まさか亡くなった私のご先祖様なの?
 衝撃的な自己紹介に驚かされた。しかしここは、天界と現世の狭間。亡くなった方も居られるのかしら?
 必死に頭の中を整理させる。メアリー夫人をもう一度見てみる。
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