52 / 72
3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎
明日のパーティ
しおりを挟む
-side リアム-
明日のパーティを前に追い込みレッスンと、参加者の情報を詰め込まれて泥のように眠った俺は久しぶりに夢を見た。
………
……………
「久しぶりだね。リアム君。」
あ、この声はロキ様?
お久しぶりです。
……ってあれ?体が動かないんだけど?
声に出してしゃべれないし。
「ふふん。今回は、前回のようにリアム君に主導権を取られないよう、リアム君の体を動けないようにしてみました。
どう?完璧な対策でしょ?」
ふーん。そんなこともできるのか。
あれ、でもこれって……?
「まあ、ともかく、リアム君。
よく来てくれたね。
時間もないから早速本題に入るよ。
明日のパー……」
これって、普通に思っていること伝わっていて、反論できるみたいだし、あんまり意味なんじゃ?
「明日パー……え?」
ほら、やっぱり伝わってる。
広すぎないか?その抜け道。
明らかにさっき意思疎通出来ていたから、どうせ、心を読み取って会話でもしていたんでしょ。ってことはこれって…。
「と、とにかくだ。さっさと終わらせよう。明日のパーティ……。」
図星か。これって、ロキ様がやった事前準備って結構無駄なことだったんじゃ。
しかも、この焦りよう。
事前に結構制限設けたから、俺が神界に入れる時間が短くなったな。
「そ、そんなことないもん。」
また、図星か。わっかりやす。いやしかし、この神様ほんとうにポンコツだな。
「………。うん。グスン。
よーっし、こうなったら切り替えて、さっさと忠告して出て行ってもらおう。
明日のパーティは……って嘘でしょ?」
……………
………
……。ん?……。あれ?
なんか今、超絶虚無な時間を神界で過ごした気がしたんだが気のせいだっただろうか?
まあ、別にいいや。
それにしても、パーティは今日か。
美味しいものを食べれるのは楽しみだな。
外はまだ暗いし、ルーカスもシルバーも寝ている。
今から起きても5歳児の体力だとパーティの最中眠くなるだけだし、二度寝するか。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
『おい。おい、リアム。朝だぞ。』
「ん……。おはよう。ルーカス、シルバー。」
『おはよう。主人殿。ぐっすり寝られたようで何よりだ。』
『おはよう。それにしても主人は緊張感ねえな。普通パーティ前だったら緊張して寝れなくてもおかしくはねえのに。』
『緊張しすぎで眠れないよりはマシだろう。それより、お腹がすいたのう。』
『ああ、俺もだ。飯くれ。』
「ふぁーい。」
うちは朝から大体賑やかだ。
まあ、静か過ぎるよりはマシか……?
今日の朝ごはん。
朝からお腹いっぱい食べたそうにしていた従魔達にはサーロインステーキをゴーレムに焼かせて食べさせた。
俺は、昼間ガッツリ食べる想定で朝は軽めのフルーツポンチだ。
お好みのフルーツを切って水、砂糖、レモン汁、みかんの缶詰の中身を混ぜて、好みのフルーツを切って入れたら完成である。
ガッガッガッ……。
『うむ。相変わらず、うまいのう。』
「喜んでもらえて良かった。」
『しかし、ほんとうに良いのか?こんな美味しい飯を無償で食べさせて貰えて。』
「別に。特にやって欲しい仕事もないしなあ。」
『こいつ、なんやかんやでなんでも一人でなんでもできる方だから、俺らが手伝える事ってあんまりないんだよな。』
『うーむ。確かに今まで一緒にいた感じだと、周りを頼った事は数える程度だったか。
これではワシが返せるものがないのう。』
「別に俺はみんながいてくれるだけで満足だから、もう十分返して貰えてるけどなあ。」
『うーわ。一番お礼に困るタイプの人だぜ。そういう奴。』
本当にそうなんだけどなあ。
なんだかんだで、2匹とも俺が悩んでいる時によく相談に乗ってくれたりする。
それに、今回のように、パーティの事前準備で先生に怒られまくって、
落ち込んで、元気がない時でもそれを忘れさせるくらい常にいい意味でうるさいから、すぐにどうでも良くなって忘れてしまう。
ルーカスとシルバーのお陰で異世界に来て辛い困難があっても、結構簡単に乗り越えられているのだ。
あとスマホがない今、2匹の膨大な知識は検索エンジン代わりでもあるから、それだけでも充分過ぎる。
それに、なんやかんやで、本来1人で居たら暇な時も大体“腹減ったー”ってせがんでくるから、常に忙しいし、スマホがなくても充実した日々を過ごせている。
こんな生活をするとは…。
前世では考えられなかったな。
うん。むしろ飯提供するだけでこれって助けられすぎてるな俺。
『ふーむ。主人殿がそう思っているならいいが、何かあったらワシを使ってくれ。
魔王を狩るくらいだったらいつでも出来るからのう。』
『俺もだ。流石に世界を破壊しろって言われたら躊躇するけどよ!
相手を殲滅するくらいだったら余裕だから、いつでも頼れよ。』
「そ、そこまではしてもらわなくてもいいけど、気持ちだけでも受け取っておくよ。
ありがとう。
……って、あ、もう準備の時間だ!」
『おう。そうだな!パーティの飯は飯で楽しみだぜ!』
朝にサーロインステーキ食っても、まだ余裕でご飯を食べられる体質、羨ましいなあ。
それはそれとして、いよいよパーティ開幕である。
「……ってそういえば、ロキ様はあの時何を言おうとしてたんだろ?
本題のキーワードになりそうな事からピンポイントで先に言えばいいのに、律儀に“明日のパーティは”って主語から言い始めるから、結局それしか伝わらなかったんだけど。」
(それは、時間がないのに君が余計なことを言いまくるからだろーがー!)と誰かが俺の背後で言った気がしたけど、きっと気のせいに違いない。
----------------------------
明日のパーティを前に追い込みレッスンと、参加者の情報を詰め込まれて泥のように眠った俺は久しぶりに夢を見た。
………
……………
「久しぶりだね。リアム君。」
あ、この声はロキ様?
お久しぶりです。
……ってあれ?体が動かないんだけど?
声に出してしゃべれないし。
「ふふん。今回は、前回のようにリアム君に主導権を取られないよう、リアム君の体を動けないようにしてみました。
どう?完璧な対策でしょ?」
ふーん。そんなこともできるのか。
あれ、でもこれって……?
「まあ、ともかく、リアム君。
よく来てくれたね。
時間もないから早速本題に入るよ。
明日のパー……」
これって、普通に思っていること伝わっていて、反論できるみたいだし、あんまり意味なんじゃ?
「明日パー……え?」
ほら、やっぱり伝わってる。
広すぎないか?その抜け道。
明らかにさっき意思疎通出来ていたから、どうせ、心を読み取って会話でもしていたんでしょ。ってことはこれって…。
「と、とにかくだ。さっさと終わらせよう。明日のパーティ……。」
図星か。これって、ロキ様がやった事前準備って結構無駄なことだったんじゃ。
しかも、この焦りよう。
事前に結構制限設けたから、俺が神界に入れる時間が短くなったな。
「そ、そんなことないもん。」
また、図星か。わっかりやす。いやしかし、この神様ほんとうにポンコツだな。
「………。うん。グスン。
よーっし、こうなったら切り替えて、さっさと忠告して出て行ってもらおう。
明日のパーティは……って嘘でしょ?」
……………
………
……。ん?……。あれ?
なんか今、超絶虚無な時間を神界で過ごした気がしたんだが気のせいだっただろうか?
まあ、別にいいや。
それにしても、パーティは今日か。
美味しいものを食べれるのは楽しみだな。
外はまだ暗いし、ルーカスもシルバーも寝ている。
今から起きても5歳児の体力だとパーティの最中眠くなるだけだし、二度寝するか。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
『おい。おい、リアム。朝だぞ。』
「ん……。おはよう。ルーカス、シルバー。」
『おはよう。主人殿。ぐっすり寝られたようで何よりだ。』
『おはよう。それにしても主人は緊張感ねえな。普通パーティ前だったら緊張して寝れなくてもおかしくはねえのに。』
『緊張しすぎで眠れないよりはマシだろう。それより、お腹がすいたのう。』
『ああ、俺もだ。飯くれ。』
「ふぁーい。」
うちは朝から大体賑やかだ。
まあ、静か過ぎるよりはマシか……?
今日の朝ごはん。
朝からお腹いっぱい食べたそうにしていた従魔達にはサーロインステーキをゴーレムに焼かせて食べさせた。
俺は、昼間ガッツリ食べる想定で朝は軽めのフルーツポンチだ。
お好みのフルーツを切って水、砂糖、レモン汁、みかんの缶詰の中身を混ぜて、好みのフルーツを切って入れたら完成である。
ガッガッガッ……。
『うむ。相変わらず、うまいのう。』
「喜んでもらえて良かった。」
『しかし、ほんとうに良いのか?こんな美味しい飯を無償で食べさせて貰えて。』
「別に。特にやって欲しい仕事もないしなあ。」
『こいつ、なんやかんやでなんでも一人でなんでもできる方だから、俺らが手伝える事ってあんまりないんだよな。』
『うーむ。確かに今まで一緒にいた感じだと、周りを頼った事は数える程度だったか。
これではワシが返せるものがないのう。』
「別に俺はみんながいてくれるだけで満足だから、もう十分返して貰えてるけどなあ。」
『うーわ。一番お礼に困るタイプの人だぜ。そういう奴。』
本当にそうなんだけどなあ。
なんだかんだで、2匹とも俺が悩んでいる時によく相談に乗ってくれたりする。
それに、今回のように、パーティの事前準備で先生に怒られまくって、
落ち込んで、元気がない時でもそれを忘れさせるくらい常にいい意味でうるさいから、すぐにどうでも良くなって忘れてしまう。
ルーカスとシルバーのお陰で異世界に来て辛い困難があっても、結構簡単に乗り越えられているのだ。
あとスマホがない今、2匹の膨大な知識は検索エンジン代わりでもあるから、それだけでも充分過ぎる。
それに、なんやかんやで、本来1人で居たら暇な時も大体“腹減ったー”ってせがんでくるから、常に忙しいし、スマホがなくても充実した日々を過ごせている。
こんな生活をするとは…。
前世では考えられなかったな。
うん。むしろ飯提供するだけでこれって助けられすぎてるな俺。
『ふーむ。主人殿がそう思っているならいいが、何かあったらワシを使ってくれ。
魔王を狩るくらいだったらいつでも出来るからのう。』
『俺もだ。流石に世界を破壊しろって言われたら躊躇するけどよ!
相手を殲滅するくらいだったら余裕だから、いつでも頼れよ。』
「そ、そこまではしてもらわなくてもいいけど、気持ちだけでも受け取っておくよ。
ありがとう。
……って、あ、もう準備の時間だ!」
『おう。そうだな!パーティの飯は飯で楽しみだぜ!』
朝にサーロインステーキ食っても、まだ余裕でご飯を食べられる体質、羨ましいなあ。
それはそれとして、いよいよパーティ開幕である。
「……ってそういえば、ロキ様はあの時何を言おうとしてたんだろ?
本題のキーワードになりそうな事からピンポイントで先に言えばいいのに、律儀に“明日のパーティは”って主語から言い始めるから、結局それしか伝わらなかったんだけど。」
(それは、時間がないのに君が余計なことを言いまくるからだろーがー!)と誰かが俺の背後で言った気がしたけど、きっと気のせいに違いない。
----------------------------
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,845
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる