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第四章.ダンジョン攻略大作戦

10.精霊王

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俺に直接語りかける聖獣。


「貴方の気高き心をしかと受け取りました」

「は?」

「汚れた私の身を浄化してくださりありがとうございます」


地面に着地した鹿は俺に頭を下げる。


するとガサガサと草むらから音がして、姿を見せたのは大きな犬だった。

「グレートピレニーズ…嘘だろ」

前世でも大型犬の中の大型犬としらされている犬種だった。


「いやいや、ジャーマンシェパードのビックサイズに、グレートデーン!何でこんな巨大な犬がいるんだよ!」

「ワンワン!」

「ウォォォン!!」


続々と集結する犬達に囲まれる。

よく見ると巨大な狼までいる。


「タマ…ってデカい!」


愛らしいコーギーが元の巨大な犬になっている。



「えええ!何で大きくなっているの?」

「彼はフェンリルの中でも強い力を持つのです。フェンリルの王ですから」

「は?」

フェンリルの王様?

「いやいや、普通に悪戯好きなワンコでしょ?」

「基本、フェンリルは子犬の姿になって身を隠します。人間から身を守る為です…ですが真に契約すべき主と契約した時は本来の姿に戻ります」

「真の主…」

「ちなみにここにいるフェンリル達は私が瀕死だった故に力を無くしていたのですが、貴方のおかげで私は穢れから救われ、彼等も力を取り戻しました」


「はぁ?」


何言ってんの?


「ご主人様ぁぁぁ!」

「我らのご主人様だ!」

「皆の者、頭を下げるのだ!これより我らフェンリル一族を支配する絶対の王が君臨された!我が王よ」


「ぎゃああ!!」


何故か犬達は人の言葉を話し、あげくの果てに俺に向かって伏せの体制を取りながら頭を下げる。


「さぁ、主よ。これより森を統べる地の精霊は貴方様に絶対の忠誠を誓います。なんなりとご命令を…さぁ!」

「さぁじゃないからね?何、その無茶苦茶な契約は」

「契約ではございません。契約とは人間と望まない契りを果たすことです。本当の絆を結べない紙よりも薄っぺらい絆です」

「否定したよ…精霊と契約している人達を全否した!」

なんなんだよ、本当に。

俺は魔力がほとんどないのに、地の精霊様を配下につけた?

無理あるだろ?


「ちなみにお聞きしていいですかね?」

「何でしょう?なんなりと」

お願いだから俺なんかにへりくだるのは止めてください。

その神々しいまでのオーラ―は眩しすぎる。

「貴方は地の精霊様ですよね」

「いかにも森の守護神とも呼ばれております。地の精霊王でございます」

地の精霊王ってマジか?
じゃあ、四大精霊の長の一人と言うことになる。


「四大精霊様の中でどのくらい偉いですかね」

「我らは豊穣を司ります…とは言え四大精霊は同格です」

「はぁ…」

「ですが、年長者で言えば私が一番ですね。最古の精霊王です」



終った。


全てが終った。


何でよりによってそんなすごい精霊王が俺の配下になるの!


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