ふしぎなちから
はやとが五歳の誕生日に、一緒に住んでいたお父さんが家を出ていった。その時、お母さんはお父さんの子どもを妊娠していたが、お父さんには伝えず、そのまま別れてしまった。
はやとは、まだ幼くお父さんと別れる事になった理由を知らなかったが、お母さんには言えないけれど、本当はお父さんとも一緒に暮らしたい気持ちがあった。そんなはやとは、お母さんに隠れて涙をこぼしていた。
それから、お父さんのことを全く知らないはやとの妹あゆが生まれた。この時、はやとは、自分が生まれた時のことを思い出した。改めてお母さんから生まれてきた事がわかったはやとは、お母さんに感謝した。
はやとのお母さんは、お父さんと別れてから、お母さんだけでなくお父さんの仕事もしていた。今までよりも忙しくなったお母さんを助けるために、はやとはあゆとお風呂に入ることにした。はやとがあゆと一緒にお風呂に入った時に、コンクリートで造られている壁に働きありが穴を掘って開けてきた。その瞬間にシャワーフックが取れてしまった。咄嗟にはやとはお母さんを呼び、修繕してもらった。お風呂から出たはやとは、お母さんから働きありの小さな一匹の命の話を聞いた。あんなに小さな命でも、たくさんの働きありの力を借りれば、大きな力に変わり目標を達成することができるという話しだった。どんなに小さな命であっても、生きようとする力はすごいものなのだとはやとは知った。
それからあゆとお母さんが公園に行った時に、砂場でどっしりと構えていたお母さんは、小さな命の存在のことを忘れていた時に、あゆからありが足下にいることを、教えてもらった。お母さんは、この時あゆにありがいることを教えてもらわなければ、気付けなかったのだ。そんないろいろな尊い気づきは、これからもずうっと繋がっていく。
はやとは、まだ幼くお父さんと別れる事になった理由を知らなかったが、お母さんには言えないけれど、本当はお父さんとも一緒に暮らしたい気持ちがあった。そんなはやとは、お母さんに隠れて涙をこぼしていた。
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