『あの日の処方箋』 ~婚約破棄から始まる、不器用な医師たちとの恋の治療法(リトライ)~

「招待状のデザイン、どうする?」

医師同士の結婚、輝かしい未来予想図。
そんな幸せの絶頂は、婚約者・陽介のたった一言で粉々に砕け散った。

「……ごめん。浮気相手(かのじょ)、妊娠したんだ」

相手は、同僚の看護師。
プライドも居場所も失った皮膚科医・天野皐月(26)は、逃げるように故郷の北関東の大学病院へ戻る。
しかし、そこで待っていたのは安息の日々ではなくーー。

「……なんで、お前がここにいるんだ」

新しい職場で再会したのは、受験の時に決別したはずの高校時代の同級生・五十嵐拓海(26)。
形成外科医となった彼は、皐月を他人のように冷たく拒絶する。

さらに皮膚科医局では、冷徹な“鉄仮面”指導医・雨宮潤一(31)や、学歴至上主義の毒舌同期・雪村慧(26)からの容赦ない洗礼が待ち受けていた。

「お嬢様気分なら出ていけ」

「私立卒には無理ですね」

もう恋も結婚もいらない。信じるのは技術だけ。
そう誓ったはずなのに。
過酷な医療現場で五十嵐の不器用な優しさと熱い視線に触れるたび、凍りついていた心が少しずつ溶け出していくーー。

現役医師が描く、医療現場のリアルと大人の恋。

どん底から這い上がる女医の、恋と誇りを取り戻す再起(リトライ)の物語。
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