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12.もしかして変ですか?*

手に負えない煽り魔

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 でもそれと入れ替わるように、今度は日織ひおりが告げた言葉の言い回しが引っかかってしまう。


「日織さんが見惚れたのは……その人の着衣にだけですか?」

 剥き出しになったまま。
 感じた直後でうっすらと薄桃色に染まった日織の色白の乳房に触れながら問うたら、「んっ……」と艶めいた声が返って。
 その声ごと飲み込むみたいに修太郎しゅうたろうは日織の唇を塞いだ。

 そうしながら、先ほど日織の中から引き抜いたばかりの下腹部が、再度抑えきれない熱を帯びて勃ち上がってくるのを感じた修太郎だ。

 そのことを腕の中に閉じ込めた日織にも分からせるように、しっとりとぬかるんだままの彼女の温かな秘部に押し当てれば、

「……やんっ、しゅうたろ、さっ。私、もうっ」

 修太郎の口づけからのがれるように顔を背けた日織が、先ほどさんざんかされた身体は、まだあちこち気だるくてしんどいのです、 と涙目で訴えてきた。


 でも、修太郎は当然のこと、このまま終わるのは無理だと思っていて。


「ねぇ。もっと貴女を僕に感じさせて? ――お願い」

 普段は「さん付け」で呼ぶ妻の名を、わざと呼び捨てにして許しを乞う。

 自分でもずるいなと思ったけれど、日織ひおりが絡むことに関しては、全力を尽くさないという選択肢自体が修太郎しゅうたろうの中にはないのだから仕方がない。


「も、……、れたので、は……しいのは、……ヤ、なのです。や、しく、していただきたいのです」

 と、腕の中の日織が観念したように小声で何かゴニョゴニョと言ってきて。

 照れたような拗ねたようなその表情が可愛くて、修太郎は口元に微かに笑みを浮かべながら「ごめんなさい。よく聞き取れなかったのでもう一度言って頂けますか?」と日織の耳朶をんだ。

 日織はそんな修太郎に、恥ずかしさから逃れるみたいにギュッと抱きつくと、「もう疲れたので……は、激しいのはイヤなのです。や、優しく、して……いただきたいのです」と修太郎の胸に額をスリスリと擦り寄せる。

 修太郎は、そんなことをしておいてセーブして欲しいと言う日織のことを、手に負えない煽り魔だな、と思ってしまった。

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