恒常生命管理局──未終死体処理課──

 死ねば人は終われる。
 その定義が壊れた世界で、国家は死を管理することを選んだ。

 延命技術と蘇生技術の果てに生まれた恒常活性因子は、人類に病なき身体と爆発的な労働力を与え、社会を繁栄させた。
 だがその代償として、人は死んでも終われなくなった。

 事故や事件で命を落としたはずの人間が、
理性を失ったまま動き出す未終死体。

 国家は制度を整え、死を管理し、未終死体を処理すべき事象として受け入れる。

 その被害を食い止めるために設立されたのが、恒常生命管理局・未終死体処理課。
 彼らの仕事は、社会の秩序を守るために、死者をもう一度殺すこと。

 新人処理官・相馬悠斗は、処理課に配属された初日、主任処理官・守屋恒一の仕事を目の当たりにする。

 泣き叫ぶ遺族。
 銃では止まらない死体。
 そして、脊椎を断ち、確実に終わらせる刃。

 未終死体は、失敗か、それとも進化か。
 安楽死施設、強制連行、隠蔽された研究。
 社会を守る制度の裏で、人間の尊厳は静かに削られていく。

 これは、善意で始まり、引き返せなくなった時代で、終われない死と向き合い続ける者たちの物語。
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