殿下、真実の愛を見つけられたのはお互い様ですわ!吸血鬼の私は番いを見つけましたので全力で堕としにかかりますから悪しからず
「アドリエンヌ嬢、どうか……どうか愚息を見捨てないでくださらんか?」
ここガンブラン王国の国王は、その痩せた身体を何とか折り曲げて目の前に腰掛ける華奢な令嬢に向かい懸命に哀訴していた。
「国王陛下、私は真実の愛を見つけてしまったのです。それに、王太子殿下も時を同じくして真実の愛を見つけたそうですわ。まさに奇跡でしょう。こんなに喜ばしいことはございません。ですから、そのように国王陛下が心を痛める必要はありませんのよ。」
美しい銀糸のような艶やかな髪は令嬢が首を傾げたことでサラリと揺れ、希少なルビーの様な深い紅の瞳は細められていた。
「い、いや……。そういうことではなくてだな……。アドリエンヌ嬢にはこの国の王太子妃になっていただくつもりで儂は……。」
国王は痩せこけた身体を震わせ、撫でつけた白髪は苦労が滲み出ていた。
そのような国王の悲哀の帯びた表情にも、アドリエンヌは突き放すような言葉を返した。
「国王陛下、それはいけませんわ。だって、王太子殿下がそれをお望みではありませんもの。殿下はネリー・ド・ブリアリ伯爵令嬢との真実の愛に目覚められ、私との婚約破棄を宣言されましたわ。しかも、国王陛下の生誕記念パーティーで沢山の貴族たちが集まる中で。もはやこれは覆すことのできない事実ですのよ。」
「王太子にはきつく言い聞かせる。どうか見捨てないでくれ。」
もっと早くこの国王が息子の育て方の間違いに気づくことができていれば、このような事にはならなかったかも知れない。
しかし、もうその後悔も後の祭りなのだ。
王太子から婚約破棄された吸血鬼の侯爵令嬢が、時を同じくして番い(つがい)を見つけて全力で堕としていくお話。
番い相手は貧乏伯爵令息で、最初めっちゃ塩対応です。
*今度の婚約者(王太子)は愚か者です。
『なろう』様にも掲載中です
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美しい銀糸のような艶やかな髪は令嬢が首を傾げたことでサラリと揺れ、希少なルビーの様な深い紅の瞳は細められていた。
「い、いや……。そういうことではなくてだな……。アドリエンヌ嬢にはこの国の王太子妃になっていただくつもりで儂は……。」
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「国王陛下、それはいけませんわ。だって、王太子殿下がそれをお望みではありませんもの。殿下はネリー・ド・ブリアリ伯爵令嬢との真実の愛に目覚められ、私との婚約破棄を宣言されましたわ。しかも、国王陛下の生誕記念パーティーで沢山の貴族たちが集まる中で。もはやこれは覆すことのできない事実ですのよ。」
「王太子にはきつく言い聞かせる。どうか見捨てないでくれ。」
もっと早くこの国王が息子の育て方の間違いに気づくことができていれば、このような事にはならなかったかも知れない。
しかし、もうその後悔も後の祭りなのだ。
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