弓使いとギルド嬢

 かつて魔王を倒した英雄職、聖弓使い。
 文明が発展するにつれて、その仕事は銃や魔法に取って代わられる運命だった。

 優れた弓使いだった祖父の跡を継いだレオは優秀な聖弓使いとなる。
 だが、叔父夫婦の陰謀で土地と財産、婚約者を従兄弟に奪われて故郷の町を追放されることに。

 放浪の末、彼がたどり着いたのは、聖弓使いが初代皇帝になったと言われる国、ゲランブール帝国の帝都ゲラブだった。
 帝国は活気に満ち溢れ、移民なども多く、仕事を求める人々が後を絶たない。
 だが、定職に就けるのは限られている。

 人々は仕方なく、危険の高い日雇い冒険者になることで、どうにかその日を生き延びていた。
 レオもそうして働くものの、襲いくる孤独感からは逃げきれなかった。

 そんな彼の心を癒してくれるのは、通話魔導具で仕事を紹介してくれるギルドの受付嬢メリル。
 何気ないひとときだけが、彼の孤独を癒してくれた。

 そして、ギルド嬢というブラックな環境で激務に励むメリルもまた、レオとの会話を心待ちにしていた。
 互いに声しか知らない二人の距離は、ある事件をきっかけに急速に接近していく。

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