『終筆士』 書きかけの手紙に、さよならを
真夏の陽炎が揺れる神戸。大倉山。
山城春奈は、父親の謎の自死という残酷な現実に突き落とされる。父の遺品に残されていたのは、途中で書き終えられた一通の手紙だった。
なぜ父は自ら命を絶ち、何を伝えようとしたのか。
真相を求め、春奈は古い平屋に拠を構える猫背の男、佐伯卓也の元を訪ねる。
少女漫画を読んで涙する彼の生業は、死者が遺せなかった言葉の続きを綴る『終筆士』。
父の死の裏に隠された山城家の嘘が、男の万年筆によって静かに紐解かれていく。
これは、死者が最後まで書けなかった想いを綴る、世界で一番優しい嘘の物語。
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