妹の方を選んだが、姉の思い通りになっていた俺の話

「お初にお目にかかります、グロイアス様。ルミティカと申します」

 婚約者候補だという女は微笑みを浮かべ、堂々たる態度で言った。
 俺はその時点で気に入らなかった。

 これが、俺の婚約者?
 将来の妻?
 一つ年下の14だと聞いていたのに、可愛らしさのかけらもなかった。落ち着いた色の服装に、貼り付いたような微笑み。大人の貴族の女がそこにいる。
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