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異形性の発露三連続~「花嫁」は疲労困憊~

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「う゛ー……」
「う゛ーん……」
「あう゛ー……」
「……どうしたんだお前ら」

 会議室で突っ伏してるマヨイとフエと、りらの三名に紅が声をかける。

「いや、異形性発露三人同時に来たから誰から行くべきか……」
「りらから行け、次にマヨイ、最期にお前だ」
「やっぱりぃ」
「りら行ってこい」
「う゛ん……」

 りらは顔色を悪くしたままその場から姿を消した。




「紅から先ほど三人異形性が発露したから相手してやってくれと言われたが最初に来るのは誰だ?」

 服を脱いで、ベッドに横になっている零。
 そんな零の前にりらが現れた。

「ばぁ」
「何だ、最初はりらか」
「うん、次マヨイおねーちゃんで、最期はフエおねーちゃん」
「……最期がフエか」

 零は少し遠い目をした。

「零さん、あいてしてね?」
「分かっている」

 りらは零を押し倒した──




「死ぬかと思った……」
「お疲れ様ー」

 つやつやとした肌になっているフエが零に声をかける。
 零は白い液体で汚れ、汗まみれになっていた。

「死因が腹上死なんてごめんだぞ……」
「それはないから安心してー」

 フエは零に肩を貸して風呂場まで案内した。
 そしてシャワーで体を綺麗にして、風呂場から上がり、体を拭いて髪を乾かした。

 乾かした後はフエが料理をして、体に優しい雑炊を作り、零の所へ持って行く。

「はい、どうぞ」
「すまないな」
「いえいえ、こちらこそ」

 零はふーふーっと冷ましながら雑炊を口にする。

「うむ、美味い」
「本当? よかったー」
「最近は荒井の料理ばかりだが、久しぶりに食べるフエの料理も美味いものだ」
「慎次は料理上手だからねー」

「好き勝手にしゃべんな」

 零とフエが会話をしていると慎次が部屋に入って来た。

「あら、慎次、どこに行ってたの?」
「見廻りついでに……」

 慎次テーブルにことんと何かを置いた。
 冷えたゼリーだ。
 中には花がゼリーで作られている見て楽しめるものだ。

「これ結構高い奴じゃん」
「あいにく、金には困ったことがないんでな」
「あーそうだよねー私達金には困らないよねー」
「何でだ?」
「秘密」
「秘密だ」
「そうか」

 零は深入りはせず、雑炊を食べた後ゼリーに手をつけた。

「うん、色んな味がして美味い……!」
「そうか、良かった。残りは冷蔵庫に入れておくから後で食べるといい」

 慎次はそう言って冷蔵庫にゼリーの残りを詰めた。


「……あ、レオンからだ。異形でてきて面倒だから来いって」
「行ってこい、留守番は俺と零がする」
「うん、じゃあねー」

 フエはその場から姿を消した。




 異形退治も終わり、住処に帰るとふてくされた顔の柊がいた。
「浮気者」
「違うってばー!」
「浮気者」
「もー!」

 今日も今日とて、宥めるのに苦労し、面倒になったら押し倒すという行動にフエは出るのであった──





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