最下級冒険者の俺は、自分が世界最強だとまだ知らない ~殺しに来る剣姫から逃げていたら、覚えた魔法が全部使えた~
大学二年生の白石悠斗は、ある日突然、剣と魔法の異世界《セラディス》へ放り出された。
頼れる知識も、この世界の常識もない。
だから悠斗は思った。
まずは一つずつ覚えて、普通に生きていこう。
最低ランクの冒険者として剣を習い、魔法を習い、依頼をこなしながら旅をする。
ただし悠斗には、一つだけ本人の知らない異常があった。
彼には、才能の限界が存在しない。
知っていることしかできない。 理解していない魔法は使えない。 そして自分に「できない」と思っていることもできない。
だが、一度覚え、本気で「できる」と思ったことなら――本当に何でもできてしまう。
本人はそんなことなど知らない。
「みんなこのくらいできるんだろ」
そう思いながら仲間の技を覚え、魔法を覚え、剣術を覚え、少しずつ強くなっていく。
そんな悠斗の前に、一人の女剣士が現れる。
エリアナ・ヴァレス。
世界でも指折りの実力を持つ、美しい剣士。
そしてなぜか、悠斗を見るなり本気で殺しに来た。
「いやいやいや! なんで!?」
五年前に滅ぼされた故郷。
現場で目撃された謎の男。
悠斗の身体に刻まれた、その男と同じ《三環痕》。
彼女は悠斗を故郷の仇だと信じていた。
必死に逃げる悠斗。 何度でも追ってくるエリアナ。
その一方で悠斗の周囲には、妙に優秀で、妙に面倒な人間ばかりが集まり始める。
撤退判断だけは世界一なのに「逃げ犬」と呼ばれる斥候。
大魔法なら天才なのに、ろうそく一本まともにつけられない魔術師。
人を治すたび自分が苦しむため、滅多なことでは治療してくれない治癒術師。
そしてやがて、悠斗を何度も殺そうとした恐ろしい剣士まで。
魔物。 古代遺跡。 呪術。 精霊。 国家戦争。 空を覆う超巨大生物。 人間の言葉で語りかけてくる竜。 世界の外から伸びてくる、山より巨大な「手」。
旅をするほど世界は広がり、世界を知るほど悠斗は強くなる。
これは、最初から世界最強になれる力を持っていた青年が、
五百話かけて世界を知り、 仲間を知り、 そして最後にようやく――
自分自身を知る物語。
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