婚約破棄から二十五年、悪役令嬢と呼ばれた彼女に救われた私は帝国の使者として祖国へ帰ってきました
二十五年前、王子は平民出身の少女と身分の壁を乗り越え、「真実の愛」を貫いて結ばれた。
王国中を騒がせたその婚約破棄によって、王子の婚約者だった魔法を愛する侯爵令嬢は、王子の妹の身代わりとして遠い大帝国へ嫁がされ、皇帝の後宮に入ることとなった。
一方、その平民の少女とかつて婚約していたのは、王国一の富を誇る商家の跡取り息子だった。
しかし、その商家はほどなくして詐欺や贈賄などの罪に問われ、財産をことごとく没収され、家族も次々と命を落としていった。
ただ一人、一家の娘だけが、その日を境に忽然と姿を消した。
すでに死んだのだという者もいた。
二度と戻れないような場所へ流れ着いたのだと噂する者もいた。
そして――二十五年の歳月が流れた。
かつて「真実の愛」を讃えた王国は、今や深刻な財政難に陥っていた。
そんな折、長年にわたって王国を支援してきた大帝国から、一人の女性使節がやって来る。
彼女は微笑みを浮かべて王宮へ足を踏み入れると、国王に恭しく一礼した。
「二十五年前の、あの『真実の愛』のことでしたら――今でもよく覚えておりますよ」
王国中を騒がせたその婚約破棄によって、王子の婚約者だった魔法を愛する侯爵令嬢は、王子の妹の身代わりとして遠い大帝国へ嫁がされ、皇帝の後宮に入ることとなった。
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◇◇◇◇
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