名前のない妖と旅人の森 ~旅人と名なしの恋、タイムリミットは二日間~
君と出会わなければ、こんなに必死にならなかった。
家を持たず、人語を話す黒猫の相棒・ルナと気ままな旅を続ける青年・行太。
彼はある満月の夜、崩れた山で信じられない光景に出くわす。
感情が昂ぶるだけで、周囲に激しい自然災害を引き起こしてしまう美しい妖。
彼女は自分の「名前」を失っており、あと二日で見つけ出さなければ、
死神の如き妖界の番人に処刑されてしまうという。
「……あたしを、助けてくれるの?」
声を出さず、テレパシーだけで心に直接語りかけてくる彼女の純粋さに、
行太のどうしようもないお人よしが火を吹く。
仮の名「ツキ」と呼び、泥まみれになりながら奔走する行太。
しかし、タイムリミットは容赦なく迫る。
高い木の枝に括り付けられた、名前の書かれた紙。不器用な手では届かない。
番人の鎌が冷酷に喉元へ迫る中、最後に残された勝負手は――
「頼む、ルナ!」
相棒である黒猫にしかできない、奇跡の「名前の返還」だった。
開かれた妖界への扉は、永遠の別れの合図。
「さよならじゃない、『またね』だろ?」
これは、名もなき妖と、どこまでも不器用で真っ直ぐな旅人が紡ぐ、
二日間の切なくも鮮烈な恋の物語。
家を持たず、人語を話す黒猫の相棒・ルナと気ままな旅を続ける青年・行太。
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彼女は自分の「名前」を失っており、あと二日で見つけ出さなければ、
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