梅田迷宮譚
JR、阪急、阪神、地下鉄……。
巨大なターミナルが絡み合い、増殖を続ける大阪最大の地下街、梅田。
そこは、一度迷い込めば二度と地上には戻れない「迷宮(ダンジョン)」だった。
案内板は気まぐれに嘘をつき、まっすぐ歩いたはずなのに同じ改札へ戻る。
出口はある。けれど外へは出られない。
迷い込んだのは、梅田を甘く見た若者。
家族に疲れた主婦。
終電を逃した氷河期世代のサラリーマン。
そして、亡き妻との思い出を辿る老人。
彼らを見つめるのは目力の強い警備員と、無数の目を持つ“メダマン”。
呑まれる者。
自ら残る者。
数えられる者。
数えられない者。
笑えて、ゾワッとして、ときどき切ない。
都市の地下に広がる異界を描く、連作コミカルホラー。
今日もまた一人、梅田に呑まれていく。
――あなたは、無事に帰れますか?
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