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亜美は毎週金曜日の午後一で綾瀬さんの部屋を片付けるようにスケジュールを立てる。ソレに合わせ、カレンダーに予定を書き込んで行く。パソコンでスケジュール管理する人も多いのだが、やはり常に予定が確認できるようにアナログだが、卓上カレンダーを重宝している。なので、他の人よりも少し大きい卓上カレンダーだが、無印◯印は気に入っている。
「高島さん、業務じゃ無いのにね。今度綾瀬兄ね何かおねだりしてみたら?『フレンチ連れて行って~』とか『バッグ買って~っ』とかどお?」
「いえ、ちゃんとお仕事の時間内なので」
そんな事は言えないでしょ~、と思っていると、
「あ、綾瀬っ!!こっち来い」
と、高瀬さん通りかかった綾瀬さんを呼ぶ。
「お前、高島さんのカレンダー見てみろよ。毎月やる事いっぱいなのに、机の片付けさせて。たまにはフレンチとかイタリアンとかご馳走してやれよ」
バンバンと綾瀬さんの背中を叩きながら言う。
「ついでに、たまには俺にもご馳走しろ?経理を労え」
「ああ?ああ。高島いつがいい?」
「おい、俺は?」
「お前に奢るわけないだろ?お前は自腹だ」
「いいけどな・・・」
「なら、赤プリのフレンチ予約しとけ」
そう言って、綾瀬さんは足早にドリンクスペースでコーヒーを入れ、部屋に戻って行った。
「あの・・・、赤プリ?」
「ん、行けば分かるよ~。金曜日はちょっとお洒落してきてね」
「は、はぁ」
そして、金曜日。
何故か、仕事帰りに綾瀬さんとタクシーに2人で乗っている。
「高瀬、残念だな。ネロに呼ばれたんだろ?」
「ネロ?」
「ああ、暴君ネロの根室」
「えっ、根室社長暴君なんですか?」
「あ?だからお前もうちの会社に入れられたんだろ?根室物産の本社じゃなくて。怪しげな会社に出向扱い」
「いえ、私はこの会社希望でしたよ?根室物産は隠れ蓑です」
「はぁ!?」
「高島さん、業務じゃ無いのにね。今度綾瀬兄ね何かおねだりしてみたら?『フレンチ連れて行って~』とか『バッグ買って~っ』とかどお?」
「いえ、ちゃんとお仕事の時間内なので」
そんな事は言えないでしょ~、と思っていると、
「あ、綾瀬っ!!こっち来い」
と、高瀬さん通りかかった綾瀬さんを呼ぶ。
「お前、高島さんのカレンダー見てみろよ。毎月やる事いっぱいなのに、机の片付けさせて。たまにはフレンチとかイタリアンとかご馳走してやれよ」
バンバンと綾瀬さんの背中を叩きながら言う。
「ついでに、たまには俺にもご馳走しろ?経理を労え」
「ああ?ああ。高島いつがいい?」
「おい、俺は?」
「お前に奢るわけないだろ?お前は自腹だ」
「いいけどな・・・」
「なら、赤プリのフレンチ予約しとけ」
そう言って、綾瀬さんは足早にドリンクスペースでコーヒーを入れ、部屋に戻って行った。
「あの・・・、赤プリ?」
「ん、行けば分かるよ~。金曜日はちょっとお洒落してきてね」
「は、はぁ」
そして、金曜日。
何故か、仕事帰りに綾瀬さんとタクシーに2人で乗っている。
「高瀬、残念だな。ネロに呼ばれたんだろ?」
「ネロ?」
「ああ、暴君ネロの根室」
「えっ、根室社長暴君なんですか?」
「あ?だからお前もうちの会社に入れられたんだろ?根室物産の本社じゃなくて。怪しげな会社に出向扱い」
「いえ、私はこの会社希望でしたよ?根室物産は隠れ蓑です」
「はぁ!?」
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